ホワイトソックス・村上宗隆(写真=Getty Images)

 村上宗隆が急失速している。9月はここまで39打席で20三振。そして村上の不振と時期を同じくして、ホワイトソックスも直近14試合で4勝10敗と負けが込んできた。

 現地9月13日(日本時間14日)終了時点で、ア・リーグ中地区首位のホワイトソックスは76勝73敗。2位ガーディアンズとの差はわずか0.5ゲームとなった。両軍は現地14日から直接対決3連戦を迎え、初戦を落とせばホワイトソックスは7月4日以来、約2か月ぶりに首位から陥落する。

 村上自身も直近15試合で打率.109、2本塁打と苦しんでいる。持ち味である長打も減っており、単に打率が低いだけでは片づけにくい不振ぶりだ。

 もちろん、原因を村上ひとりに求めるのも短絡的だろう。13日のカージナルス戦では2回に先制したものの、試合を通して得点圏の場面では7打数無安打。追加点を奪えず、1-3で敗れた。最近の停滞は村上だけではなく、ホワイトソックス打線全体にも広がっている。

 一方、追うガーディアンズは対照的だ。

 両軍の差が今季最大の6ゲームまで開いた8月16日終了時点で、ガーディアンズは60勝65敗。それ以降は16勝9敗と大きく勝ち越した。一方のホワイトソックスは同期間に11勝15敗。約1か月で5.5ゲーム分の差が消えた計算だ。

 つまり、ホワイトソックスが失速しただけではない。ガーディアンズも勝って差を詰めてきた。それがこの0.5ゲーム差を生んだ。

 ホワイトソックスファンからも焦りの声が出ている。13日の試合後、米掲示板『Reddit』では「次のシリーズで何とかしなければ、これまでの成功と興奮がすべて無駄になる」との投稿もあった。

ホワイトソックスにとって、その「これまでの成功」が、そもそも異例だった。

 2024年に41勝121敗と歴史的低迷を経験したホワイトソックス。昨季も60勝102敗で、2年連続100敗以上を記録した。それが今季はすでに76勝。7月4日から2か月以上にわたって地区首位を守ってきたのだ。

 もっとも、地区首位から陥落しても、即ポストシーズン進出が危うくなるわけではない。たとえ地区優勝を逃しても、ワイルドカード争いでは有力な位置にいる。それでも直接対決は1試合でゲーム差が1つ動く。0.5差で迎える以上、3連戦の結果次第では地区優勝争いの景色が一気に変わる可能性もある。

 121敗からここまで戻ったホワイトソックス。地区優勝を逃しても、今季を「失敗」と呼ぶのは難しい。だが、一度はガーディアンズとの差を6ゲームまで広げたのも事実だ。「ここまで来ただけで十分」とも言い切れない。

 どん底からの復活劇は、いったいどんな着地を迎えるのか。現地14日からの直接対決3連戦は、その見え方を大きく左右しそうだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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