「自分のやれることはやっていますし、それは貫けていると思います」
ロッテの愛斗はブレずに自分のやれること、後悔しないように日々野球と向き合っている。
6月12日に今季2度目の昇格を果たし、『9番・センター』でスタメン出場した13日のDeNA戦、1-15の4回二死二、三塁の第2打席、篠木健太郎が2ボール2ストライクから投じた5球目の150キロストレートを右中間に弾き返す2点適時三塁打を放った。現在の打撃の状態については「今は普通ですね」とのこと。
“長打”を意識した打撃スタイルで今季も勝負している愛斗だが、対投手へのアプローチについて「1回目一軍に上がってくる前、ファームではあまり長打が出ていなくて単打ばかりだったんですけど、一軍で長打も出てタイムリーも打てて、ファーム行ってそこから長打が増えました。それは自分の良いところ、長所だと思う」と自己分析。
愛斗が話すように、4月19日に今季初昇格する前までのファームでの打撃成績は、21試合に出場して、打率.373をマークしていたものの、1本塁打、12打点だった。5月7日に一軍登録抹消されてから6月12日に2度目の昇格を果たすまでの期間、ファームで14試合に出場して、打率.326、4本塁打、7打点と本塁打が増えた。
5月29日の広島二軍戦、7-0の6回二死走者なしの第4打席、工藤泰己が1ストライクから投じた2球目の141キロフォークを打った瞬間のレフトスタンドへ本塁打を放つと、9-2の8回無死一塁の第5打席、松本竜也が2ボール2ストライクから投じた6球目の137キロカットボールを打った瞬間のレフトスタンドへ2打席連続となる本塁打を放った。
昇格後、本塁打こそないが二塁打や捉えた打球が多い。「1回目上がった時も今回もいいあたりは出ている。それが捕られていたりするので、それが抜けていれば結構いい確率になっていると思う。そこはブレずに続けていきたいと思います」
◆ 1つ先の塁を狙う走塁
走ってもファームで9盗塁をマークしているが、盗塁だけでなく“1つ先を狙う走塁”を披露している。
5月13日のヤクルト二軍戦、1-4の9回一死一塁で石垣勝海の二ゴロをヤクルトのセカンド・山野辺翔がファンブルする間に一塁走者の愛斗は三塁へ進んだ。
「若い子が多い中で、バッティングだけになっちゃう選手が多いじゃないですか。バッティングにフォーカスしてみんな一生懸命やるんですけど、僕がずっと思っているのは野球は打撃だけじゃないと思っているので。守備もあれば走塁もありますし」
「盗塁ができないから走塁はいらないじゃなくて、盗塁ができないんだったら、一歩目を速くして判断よく、ランナー二塁からホームに帰ってくるとか、一塁から三塁に行くとか。外野フライを打つのは難しいし簡単なことではない。バッターもフライを打っているわけだから、ちょっと浅くてもいいスタート切れれば、足の速さではないと思う」
「そこは変えずに、自分の長所だと思うので、そこを何一つ手を抜かないところを頑張りたい」
◆ 隙のない外野守備
ストロングポイントである外野守備でも、5月30日の広島二軍戦、0-0の初回一死走者なしで内田湘大が放ったライト前のゴロを素早く処理し、一塁へ矢のようなワンバウンドスローでライトゴロにした。
愛斗は“チームのため、ピッチャーのため守る”ことを信条に外野守備をしているが、気になったのは、5月3日の西武戦。9-0の8回一死一塁でネビンのセンター前の打球に対し、右膝をついて捕球し、三塁を狙った一塁走者・長谷川信哉を刺そうと、素早くショート・友杉篤輝に送球。中継に入った友杉が三塁へ送球しタッチアウトにした。あのプレーは、わざと一塁走者を三塁へ誘導するように狙ってアウトにしたのだろうかーー。
「狙ったというか、ちゃんと捕ってから投げるのを意識していたので、点差もあったし、進まれてはいけないというか、いかれたら絶対アウトになるくらいのタイミングで返していかないといけない。そこはいつも通りのプレーです」と教えてくれた。
愛斗はクオリティの高い外野守備に、打撃でも反対方向のバッティング、ここぞの場面での送りバント、走っても“1つ先を狙った走塁”と1つ1つの能力は非常に高い。“長打”をはじめとしたバッティングで継続して結果を残せれば、レギュラー奪取も見えてくる。
取材・文=岩下雄太