ロッテ・髙部瑛斗

 “1つ先の塁を狙う”を体現したロッテ・髙部瑛斗の走塁だった。

 9日のオリックス戦、0-2の4回無死一、三塁から安田尚憲が放ったショート後方の飛球をオリックスのショート・紅林弘太郎が背走しながらキャッチすると、捕球体勢を見て三塁走者の髙部はスタートを切り、悠々と生還した。まさにロッテらしい得点の取り方、1つ先の塁を常に意識した素晴らしい走塁である。

 髙部はこの日だけでなく、3月20日の中日とのオープン戦では1-4の7回二死二塁からマーティンのボテボテのセカンドへのゴロで、二塁からスピードを緩めることなく三塁ベースを蹴り、ヘッドスライディングでホームインする好走塁を見せれば、シーズンが始まってからも6月11日のDeNA戦、6月22日の西武戦では三塁ゴロで三塁手が一塁へ送球したのを見て、二塁から判断よく三塁へ進んだこともあった。相手のわずかな隙を見逃さず、常に1つ先の塁を狙う意識を強く感じる。

 髙部は6月に行ったオンライン取材でも「(1つ先の塁を狙う意識は)もちろんしています。簡単にヒットが出るものではないと思うので、なんとか走塁で1点取れたら強いと思います。全力でいくことで生まれる1点もある。そこは井口監督が大切にしている部分。僕たちも期待に応えられるようにと思ってやっています」と、常に次の塁を狙う意識を高くもっているからこそ、何度も好走塁が生まれているのだ。

 また、髙部の走塁を見ていると、三塁走者のときにリードを大きくとっているときもある。そのことについて髙部は「三塁手のポジショニングを見て、しっかり下がっていればそのぶん(リードを)取りますし、近くにいたら取らないですし、三塁手の距離感によって広く、狭くというのは決めています」と明かした。

 髙部に限らず、ここ数年、チーム全体が1点を奪うために“1つ先の塁を狙う”姿勢を強く感じる。意識、小さな積み重ねが1点を呼び込む。たしかにチーム打率はリーグワーストの.219、チーム本塁打もリーグ5位の45本塁打、チーム得点もリーグ5位の254得点と打てないチームかもしれない。だからこそ、足を絡めて得点を奪いにいく。10日のオリックス戦でも、髙部をはじめとしたロッテの選手たちの得点につながる好走塁に期待したい。

文=岩下雄太

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