◆ 圧巻の無失点デビュー
いきなりの剛球連発に、スタジアムが沸いた。
ソフトバンクからDeNAに移籍してわずか3日。しかも約1か月半ぶりとなる先発のマウンドに上がった尾形崇斗がヤクルトとのファーム戦に先発登板し、初回から三者連続三振の圧巻スタート。
3回にも再び三者連続三振を奪うなどマウンドを支配し、4回は1死からモイセエフニキータのバットを折りながらも不運なヒットで初めてランナーを背負い、続く田中陽翔にもライト前に運ばれピンチを招くも、落ち着いて後続を断ち得点を許さなかった。
最終的に5回を投げ抜き63球、被安打2、奪三振7、与四死球0の無失点ピッチングで役割を終えた。
球団のトラックマンによると最速は158キロでホップ成分は61。ソフトバンク時代と同等の数値をはじき出した。
尾形も「初回からクオリティの高いボールを投げられた」と自己評価。初回は自慢のストレートで押し込み、2回は変化球を主体にしたピッチングに変更し内野ゴロ3つで料理した点にも「しっかりと自分のやりたいことができた」と胸を張った。
そこには先発として期待されているからこその取り組みがあった。
「長いイニングを投げるためには、空振りを取るだけでなく、いかに1球で弱い打球をフィールド内に打たせるかが自分には必要なこと。オプションを増やすためにって考えた時には、三振よりも自分では評価したいですね」
唸るストレートにシンカーなどの変化球を効果的に操り、馴染みのないセ・リーグの打者をキリキリ舞いにした。そしてなにより63球で5回を投げきる“省エネ”投球に自信を深めた。
◆ ベイスターズのために
「みんな楽しそうに野球をやっている。自分のプレイスタイルにすごくフィットしているし、やりやすい環境ですね」
電撃移籍してからまだ日も浅いが、ベイスターズのカラーに馴染んでいると笑顔を見せる尾形。
「必要とされた時に、いつでも(一軍に)入れるように自分は準備していくだけ」
ここからは球数を増やし、先発としての調整を積み重ねその日を待つ。「どこにいても、自分がやるべきことと向かうところは変わらない。チームの優勝に貢献し、まずは今年優勝できるように頑張ります」
剛球と技を磨き、新天地で旋風を巻き起こす。背番号36は止まらない。
取材・文=萩原孝弘