ロッテの立松由宇は4月終了時点で打率.113だったが、5月以降は打率.328(58-19)と状態を上げている。
ルーキーイヤーの昨季は7月に都内の病院で両股関節の関節鏡視下股関節唇形成術を行い、同年6月29日の巨人二軍戦を最後に一、二軍ともに出場がなく、シーズンを終えた。
今年の春季キャンプは石垣島組でスタート。2月22日のチェコ代表との親善試合では捕手でスタメン出場し、2-2の2回一死二塁で谷村剛が1ストライクから2球目を空振り、捕手が弾く間に三塁へ。さらに捕手が三塁悪送球した間に生還した。「常にワンバウンドの軌道のイメージをしながら考えてやっていて、それが反応できたのは良かったと思います」と振り返った。
ファーム開幕戦となった3月14日の日本ハム二軍戦、『9番・一塁』でスタメン出場すると、5回の第2打席に今季初安打となる適時打を放ち、幸先の良いスタートを切った。しかし、この安打を最後に26打席連続安打がなく、3月25日のヤクルト二軍戦後には打率.048まで落ち込んだ。
4月25日の取材では「調子が悪い、色々試している中で、ボール球に手を出していくと、どんどん調子を崩していく。結果は出ていないですけど、今はそこよりは自分の打ち方、手術した後の体に対してどういうスイングが合っているのか模索している感じですね」と試行錯誤していたことを明かしている。
4月まではなかなか安打が出なかったが、4月23日の楽天二軍戦では、「怪我開けて、徐々に上がってきたというか、慣れてきて力も入るようになってきたので、粘りが出てきたなという感じはしますね」と、0-6の8回無死二塁の第4打席、九谷瑠が1ボールから投じた外角の143キロストレートを逆らわずにレフト前に運ぶ安打が良かった。
5月に入ってからは14日のヤクルト二軍戦、今季初本塁打を含む3安打3打点、8-0の5回一死走者なしの第3打席、佐藤琢磨に対し2球で追い込まれるも、ボールを見極め、ファウルで3ボール2ストライクから7球目のストレートを見送り四球を選んだ。
5月30日の広島二軍戦から6月4日の楽天二軍戦にかけて4試合連続安打、そのうち2試合はマルチ安打と調子を上げ、5月は14試合に出場して打率.333、1本塁打、2打点をマーク。
守ってもスタメンマスクを被った5月14日のヤクルト二軍戦、5月16日の楽天二軍戦は2試合連続完封勝利に導いた。「キャッチャーをやる時はデータを見てしっかり準備をして、ピッチャーとの会話もして、取り組んだ結果がつながっているかなと思います」と自己分析した。
話を打撃に戻ると、6月も月間打率.281、2本塁打、5打点とアピールした。6月23日の中日二軍戦、3-5の4回一死走者なしの第2打席、涌井秀章が投じた初球の135キロスライダーを左中間に破る二塁打、7月1日のオイシックス戦、8-5の9回一死二、三塁の第3打席、又吉克樹が投じた初球のカットボールを左中間を破る2点適時三塁打と、“逆方向”への安打が素晴らしかった。
立松本人も「逆方向を意識して打席に立っています」と話し、「最近はホームランも出始めて、左中間意識で打席に入るので、ボールに向かっていく意識のまま打てているのはすごくいいなと思います」と意識したことが打席内で出せている。
股関節手術後の打撃について7月4日の取材で改めて確認すると、「徐々に動かし方が良くなってきたというか、3月、4月の時に比べたら、ハマっていない部分がハマりつつあるのかなという感じがあります」と一定の手応えを掴む。
守備も今季は捕手、ファーストに加え、レフト、ライトと外野での出場も増えている。「外野はほぼ守ったことがないので、ちょっと難しいと思うんですけど、その分、バッティングで5月、6月はトータル3割近く打っているので、そこを活かしていければいいかなと思います」と前を向いた。
打撃の状態は春先に比べ、明らかに上向いている。「まずはバッティング。必死にバッティングで結果を残せるように頑張りたいと思います」。いつ一軍から声がかかってもいいようにバッティングでアピールしていく。
取材・文=岩下雄太