◆ 2週間ぶりのエース対決
6連勝で首位・ヤクルトを猛追しているDeNA。
23日からは2カ月負けがないホームを離れ、京セラドーム大阪で阪神と対戦。初戦の先発マウンドに登る今永昇太が、ZOOMでの取材に応じた。
前回登板の8月16日・巨人戦は7回1失点で勝利投手となったが、「良い球が多かったわけではない」と反省のコメント。その上で、あすに向けては「メカニズムの見直しと修正をやってきました」と語り、具体的には「今まで通りの投げ方だとカウントを取るのに苦労した。試合中にいつも投げていないフォームで投げてしまったので、癖にならないように修正した」と、細かいポイントのチェックに時間を費やしたという。
阪神戦は8月9日以来となり、その時は青柳晃洋との投げ合いを制して完投勝利。あすも同じマッチアップとなるが、「青柳投手は粘り強く投げてくる投手。負けないように食らいつく投球ができれば良い」と意気込みを述べつつ、「自分にできないことをやろうとすると、欲からミスが出ることがある」とも語り、あくまで自然体で臨むことを強調した。
また、あすの試合では、前回対戦時に新型コロナの関係で欠場していた大山悠輔や近本光司もラインナップに名を連ねることが予想されており、今永も「別のチームと思っている」と気を引き締めている。つづけて、「阪神には足を止める作業も必要なので、球数を使う場面も出てくる」とし、対策を練っているようだ。
◆ 「チームが繋いでくれた」勢いに乗って…
チームは先週負けなしの6連勝。イケイケムードでの戦いが続いているが、左腕は「連勝が続いて、ヤクルトとこういう差(4ゲーム差)まで詰めることができて、期待からプレッシャーもあり、精神的にキツいな…と一週間のうちにふと感じた時もあった」と胸の内を明かす。
それでも、「人生が終わる時まで、プレッシャーや誰かの期待に応えること、ベイスターズファンの期待を背負うことは多くないと思う。それは実に楽しいことだと、野球を辞めたら気がつくと思うので、そういう想いで投げられたら」と、“投げる哲学者”らしく、今はプレッシャーを力に変えようとしている。
加えて、好調チームを支えている中継ぎ陣の奮闘にも触れ、「先発として、これまで中継ぎや野手に支えてもらって頭が上がらない」とコメント。
斎藤隆ピッチングコーチも「グラウンドには出てきていない、バックアップしている投手陣の疲労も実はあります」と語っているように、試合でマウンドに登っていない投手たちも日々ともに戦っている。
今永は「これからの苦しい時に先発がバックアップしていく。そこに尽きる」と先発の柱としての役割について言及し、「過密日程を考えて、僕としては勝ちパターンも投げさせないような展開で勝ちたい」と誓いを立てた。
最後は「チームが繋いでくれたので、僕自身もそれに乗っかってやるだけだと思います」と締め、あすへの決意を表明。
エース対決を制して重要なカード頭を取り、上昇気流に乗るチームをさらに加速させていくことができるだろうか。
取材・文=萩原孝弘