ニュース 2024.08.02. 09:03

ロッテ・坂本光士郎「僕の仕事は左を抑えないと」右打者の被打率.091には「たまたま右が打たれていないだけ」

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ブルペンで投球練習するロッテ・坂本光士郎[撮影=岩下雄太]

力強いストレート


 ロッテの坂本光士郎は今季ここまで25試合に登板して、1勝1敗10ホールド、防御率3.00。7月20日の日本ハム戦から現在5試合連続無失点中、7月26日の楽天戦から3試合連続ホールド中だ。

 今季も力強いストレートで打者をねじ伏せている。5月30日の古巣・ヤクルト戦では、2-3の7回二死走者なしで長岡秀樹を1ボール2ストライクから自己最速となる154キロで見逃し三振に仕留めたストレートは非常に素晴らしかった。坂本本人も「それまでのバッターはスライダーでずっと勝負していたんですけど、相手のバッターからしたら変化球もくるんだろうなというカウントの中で真っ直ぐ、外角で勝負したんですけど、ファウルになってもいい感覚で強い球という意識で投げた。結果的にいいところに決まってくれて、球自体も強くて、あの1球は今年の中でも一番良かったくらいの感覚でした」と手応えを口にした。

 直近では7月26日の楽天戦、4-1の6回先頭の中島大輔を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた154キロ外角ストレートが良かった。このストレートに関しては、「スピードはあの日は出ていたんですけど、それ以外変わったことはないので、最近良いなということはなくという感じですね」と振り返った。

左打者


 今季は開幕を二軍で迎えたが、5月10日に一軍昇格すると、5月17日の日本ハム戦から6月12日のDeNA戦にかけて10試合連続無失点。

 新シーズンに向けてオフは体を大きくした中で、上半身と下半身の連動性が噛み合ってきた時期だ。6月12日の取材で「やっと馴染んできて、いい感じで試合で投げられているかなと思います」とし、「1試合投げて連投とかになってくると体がキツかったりしてたんですけど、そこが今年は連投しても次の日も投げられるぐらいの感じなので、しっかり下半身を使えているんだろうなと感じています」と自己分析した。

 好感触を得ていた中で、3-3の10回に登板した6月14日の中日戦、中田翔に決勝の適時二塁打を浴びると、6月後半から7月前半にかけて失点した登板が目立った。7月2日の日本ハム戦から3試合連続で失点した。失点した登板が続いた原因について坂本は「左バッターに踏み込まれていたので、センターから逆方向の打球が多いなと感じました。去年結構投げさせてもらって、データも色々と出ていると思う。去年と同じようなピッチングをしていた。何か変えなきゃいけないなというところで、そこから色々試行錯誤しながらという感じです」と説明した。

 坂本が話すように昨季左打者の被打率が.194(98-19)だったが、今季はここまで.349(43-15)と打たれている。「確実に打たれていますし、4割くらい(左に)打たれていた時期もあったので、やっぱり僕の仕事は左を抑えないといけない。そこで左に結構打たれていた。試行錯誤しながら、監督、ピッチングコーチと話をしながら、何が必要かというのをやってきましたね」。オールスター明けは左打者に対して9打数1安打としっかり抑え込み、1日の西武戦も3-1の6回に登板し、先頭の源田壮亮を遊ゴロ、続く西川愛也を空三振、蛭間拓哉を投ゴロと左打者を完璧に封じた。

 右打者の被打率は昨季の.329(82-27)から今季は.091(33-3)と抑え込む。ただ坂本本人は「結果としてそうなっているだけで、左もそうですけど抑えようと思って投げている。その中で、たまたま右が打たれていないだけで、左とは変わらないように投げています」とのことだ。

準備


 今季の坂本は1日西武戦のような勝ち試合だけでなく、ビハインドゲーム、さらにはイニング途中からマウンドに上がるなど様々な場面で登板している。

 準備の難しさについて「投げない日も投げる日もやることは決まっている。準備の段階でそろそろありそうだなと思ったら、自分から体を動かしたり、コーチに動かしとこうかと言われて、その時にやることは決まっている。それをやるだけなので、やばいという登板はないですね」と頼もしい。準備でやることについては「ストレッチ、瞬発系、キャッチボール、球数もそうですけど、その中で自分の中で決めてることをやっているという感じです」とのことだ。

 大逆転優勝に向けて負けられない戦いは続く。「去年ちょっと夏場バテたりしたので、同じことをしていてダメになることもあるので、練習で暑いですけど、なるべく軽い練習するのではなくキツめの練習をしたりしてやっている。引き続き落ちずにやりたいなと思います」。昨季の反省を踏まえ、この夏を乗り越え、チームの勝利に繋がる投球を披露していく。

取材・文=岩下雄太

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