「本当にいい場面で投げられて、しっかり結果も出ていますし、順調にきているのかなと思います」
ロッテ・横山陸人が勝ち試合の9回に定着し、ここまで両リーグトップの24セーブをマーク。今季から背負う『15』もしっかり板についてきた
“抑え”はチームの勝利に直結する重要なポジション。3点差、2点差、1点差、状況に応じてリードを守り切って試合を終えればいいと考えているのか、それとも全部のシチュエーションで無失点に抑えて試合を終えたいのかーー。どのような感情を持って投げているのだろうかーー。
「もちろんゼロが一番良いとは思うんですけど、結果的にチームが勝てるのが一番良いと思うので、そういうところも視野に入れながらやっていければいいかなと思います」
特筆すべきは球数の少なさ。4月29日の楽天戦で、5-3の9回に登板し、先頭の渡邊佳明を左邪飛、マッカスカーを二ゴロ、太田光を中飛と打者3人をわずか3球で抑えたように、今季33試合・33イニングを投げて、球数は488で、1イニングあたりの球数は14.8。
6月は9試合中7試合が1イニング15球以内で終えており、6月4日のヤクルト戦は1回を投げ4球、6月14日のDeNA戦は1回・7球、6月21日の楽天戦は1回・6球の“省エネ”投球でセーブを挙げている。
少ない球数で抑えられている要因について「どんどん相手バッターが早いカウントから振ってきているというのもすごく感じるので、しっかり初球からコースを投げられていて、相手も早く振ってくる結果、たまたま少ない球数で抑えられているのかなと思います」と自己分析。
その一方で、奪三振率は6.55と、現時点では一軍に定着した23年以降(23年:9.61、24年:7.93、25年:7.51)では奪三振率が最も低い。三振を狙える場面は、しっかりと三振を奪いたいのだろうかーー。
「もちろんですね。三振が一番リスクの低いアウトの取り方なので、三振を狙っていけるところは狙っていければ、いいかなと。取れるに越したことはないかなと思います」
その中でも、シンカーが良い。6月6日の巨人戦、1-1の9回一死走者なしで中山礼都を1ボールから空振りを奪った2球目の135キロのインコースシンカー、6月14日のDeNA戦、6-4の9回二死走者なしで佐野恵太を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたインコース139キロシンカーは良い落ちだった。
「感覚が良くないなという時もあるんですけど、だいぶ安定してきて投げられているのかなと思います」
右打者に対しても、6月9日の中日戦、3-1の9回一死走者なしで石伊雄太に1ボール1ストライクから投じた3球目のインコース135キロ空振りを奪ったシンカーは良かった。
「あのシンカーも右にも去年からずっと投げていて、いい感覚で右はどうしても外、外と目付けがいっているので、その中でインコースとか真ん中際どいシンカーは効果があるのかなと思います」
昨年の夏場以降、右打者にもシンカーを投げ切れるようになったことで投球の幅が広がったように見える。横山本人も「それはそうですね、だいぶ広がっているのかなと思います」と実感する。
現在チームはBクラスではあるが、35勝33敗3分と貯金『2』。今後上位に食らいついていくためにも、勝ち続ける必要がある。そのためにも横山の力は必要だ。「暑くなってくると体調管理が大事になってくるかなと思いますし、休むところは休んで、動くところは動く。メリハリをつけてやっていければいいのかなと思います」。体調管理をしっかりして、チームにとっても、横山にとっても“熱い”夏にする。
取材・文=岩下雄太