日本時間17日、メジャー1年目を戦う2人の日本人スラッガーが、そろって長打を放った。
ホワイトソックスの村上宗隆はタイガース戦の7回、今季28号となる勝ち越し2ラン。直近3試合で2本塁打を放つなど、再び調子を上げつつある。
一方、ブルージェイズの岡本和真もヤンキース戦で二塁打を記録。後半戦に入って苦しい時期が続いているが、復調へのきっかけをつかみたいところだ。
後半戦全体を見ると、2人の打撃内容には大きな違いがある。
村上はケガから復帰後、好調な打撃を見せてきた。8月に入って一時は数字を落としたものの、ここにきて再び長打が増えている。
対照的に、岡本は後半戦に入ってから苦戦が続く。7月下旬を最後に本塁打はなく、前半戦と比べると長打力の低下が目立つ。
では、2人の後半戦にどんな変化が起きているのか。球種別のデータから探ってみたい。
『Baseball Savant』では球種群を「Fastball」「Breaking」「Offspeed」の3つに分類。本稿ではフォーシーム、シンカー、カットボールを「速球系」、スライダーやカーブなどを「曲がる系」、チェンジアップやスプリットなどを「落ちる系」と定義し、後者2つを合わせて「変化球系」とする。
まず村上だ。
速球系に対する成績は、前半戦が打率.250、長打率.670。後半戦も打率.259、長打率.586と大きく崩れていない。
変化球系に対しても前半戦が打率.218、長打率.427、後半戦が打率.217、長打率.500。打率はほぼ変わらず、長打率はむしろ上昇している。
ただし、8月に限ると傾向が変わる。
速球系には30打数8安打の打率.267、長打率.733、4本塁打。一方、変化球系には23打数2安打の打率.087、長打率.174で、13三振を喫している。
17日のタイガース戦でも、カーブには空振り三振と三ゴロ、チェンジアップには空振り三振。対して速球系のシンカーを捉えた打球は本塁打となった。
村上は後半戦全体では大きく崩れていない一方、8月は変化球への対応で苦しんでいることが数字にも表れている。
一方、岡本にはもう少し長いスパンで変化が表れている。
前半戦の岡本は速球系に打率.254、長打率.512を記録していたが、後半戦は打率.204、長打率.352まで低下。変化球系も打率.217、長打率.406から、打率.176、長打率.235へ数字を落としている。
特に目立つのが、前半戦に15本塁打を放った速球系への苦戦だ。
前半戦の岡本にとって速球系は大きな長打源だった。ところが、8月は速球系に28打数5安打の打率.179で、本塁打はまだゼロ。17日の試合でも、シンカーを捉えた一打は右飛に終わった。
一方、この日の二塁打はチェンジアップを捉えたものだった。岡本は後半戦全体で打撃成績を落としているが、とりわけ前半戦に長打を量産していた速球系への対応が大きく悪化している。
同じメジャー1年目を戦う日本人スラッガーでも、後半戦の中身はかなり違う。
村上は後半戦全体では打撃内容を維持しながら、8月に入って変化球への対応で苦戦。一方の岡本は後半戦を通じて成績を落とし、前半戦に長打源となっていた速球系への数字も大きく低下している。
直近の試合で2人は長打を放った。ここから村上は変化球への対応を取り戻せるのか。岡本は再び速球系を長打に変えられるのか。シーズン終盤へ向けたポイントになりそうだ。

<村上宗隆・球種別成績>
速球系 前半 打率.250/長打率.670 → 後半 打率.259/長打率.586
変化球系(曲がる系+落ちる系) 前半 打率.218/長打率.427 → 後半 打率.217/長打率.500
※8月:速球系 打率.267/長打率.733、4本塁打/変化球系 打率.087/長打率.174、13三振
<岡本和真・球種別成績>
速球系 前半 打率.254/長打率.512 → 後半 打率.204/長打率.352
変化球系(曲がる系+落ちる系) 前半 打率.217/長打率.406 → 後半 打率.176/長打率.235
※8月:速球系 打率.179/長打率.179、0本塁打/変化球系 打率.231/長打率.308、8三振
文=八木遊(やぎ・ゆう)