「真っ直ぐは弾けているので、練習してきていることは出せているかなと思います」
ロッテの安田尚憲は5月30日に今季初昇格を果たし、一軍に上がってからの1ヶ月をこのように振り返った。
安田は昨季24年の55試合を上回る93試合に出場したが、打率.243、25打点、本塁打は2年連続でなかった。昨年12月12日の契約更改交渉後の会見で、「シーズンの最初の方は四球も取れてたんですけど、ホームランを打てないとストライクゾーンで勝負してくるので、そうなるとやっぱり、ボールゾーンに来ないと四球を取れない。まずはバッテリーに怖いと思われるような打者にならないとできないと思います。サブローさんからも(1日1安打1四球の)目標を立ててもらってやっていましたけど、なかなか実践ができなかったので、ヒットだけじゃなかなか四球にもつながらない。大きいのをもう1回打てるようにしっかりやりたいと思います」と課題を口にし、長打の重要性を口にした。
昨年の1月は「バッティングコーチ、アナリストの方と話しながら、こういう方向性でやっていこうと話をして、それで自分もやっぱり時間をかけながらやらないといけないなと思ったので、今年(25年)は一人でやっていました」と1人で自主トレを行ったが、今年の1月は「2年やって成績出なかったので、何か変えないとなということで柳田さんにお願いし、もう1回一緒にやろうかと言ってくれたので、一緒にやらせてもらいました」とソフトバンク・柳田悠岐らと自主トレを行った。
「学ぶこともたくさんありましたし、同世代の清宮とか梶原とかとも一緒にできたので、その辺の刺激をもらいながら、自分も負けないようにと思いました」と実りのある時間になった。
契約更改の時に“バッテリーに怖いと思われるような打者にならないと”と話していた中で、今季に向けて「力強い打球を多く打っていかないと、怖い打者に思われないと思うので、しっかりとホームランや長打を増やしていけるように頑張りたいと思います」と決意。
“長打”というのは二塁打を増やしたいのか、本塁打を増やしたいのか、都城春季キャンプで問うと、「去年まではツーベースでいいと思っていたんですけど、それだとホームランが出なかったので、しっかりホームランを意識して練習に取り組んでいます」と力を込めた。
“アベレージ”よりも“ホームラン”を狙っていくのかさらに質問をぶつけると、安田は「そうですね、はい」と話した。
安田といえば、勝負強さも武器のひとつ。「同じような話になるんですけど、バッテリーに怖がってもらわないと、勝負強さも出てこないと思うので、しっかりと打点もどんどん増やしていきたいので、底上げしていけるように頑張っていきたいと思います」
2月の都城春季キャンプでは徹底的に振り込み、練習試合・オープン戦に向けて「本当に打つことが大事だと思うので、結果を残して、ライバルがいっぱいるので、そのライバルに勝てるようにやっていきたいと思います」と意気込んだが、8試合に出場して、打率.200、1打点と目立ったアピールができず、3月1日の韓国・ロッテとの練習試合を最後に一軍の実戦出場はなかった。
開幕をファームで迎え、ファームでも安田の本職・サードには高卒ルーキーの櫻井ユウヤがスタメン出場し、安田はファーストや代打、守備固めでの1打席と、これまでのようにファームでも毎試合4打席立てたわけでもなかった。
「しっかり結果を出して一軍に上がるために準備していました」と話し、「ストレートをしっかり弾き返すことをやっていました」と課題を持って打席に立っていた。
ファームの練習日には、ノックの時に「いけ〜ユウヤ!」、「剛さん、柔らかい!」、「由宇さん!」、「グッド反応!」と大きな声で盛り上げた。安田よりも年下の選手が増えた中で、若手に姿勢でも見せていこうというのはあったのだろうかーー。
「別にそういうわけではないですけど、ずっとやってきたことだったので、それがただ継続してやっていただけですね」
ファームで44試合に出場して、打率.299、1本塁打、7打点の成績を残し、5月30日に一軍昇格を果たす。同日の阪神戦、『7番・サード』でスタメン出場すると0-1の2回二死走者なしで迎えた今季初打席、村上頌樹が1ストライクから投じたストレートを振り抜くと、「無我夢中で打席に入りました。1打席目に最高の結果が出て良かったです」とバックスクリーンに突き刺す、公式戦では23年10月10日の楽天戦以来となる一発を放った。
6月7日の巨人戦では、「最後ツーアウトだったので思い切って行くだけでしたし、いい結果になって良かったです。打った感触は完ぺきでした」と1-2の9回二死走者なしの第1打席、マルティネスが2ボールから投じた3球目の155キロストレートをライトスタンドへ第2号ソロ。
打席の中では全打席ホームランを狙って打席に立っているのだろうかーー。「そこまでではないですけど、ポイントはしっかり前に置いておいてというイメージで思っています」
今年の安田はマルティネスのストレートを本塁打にしたように、150キロを超えるストレートを弾き返せている。「その辺もしっかりファームから取り組んできたところだったので、それが成果として出て良かったなと思います」
早いカウントから積極的に打っている。3日のソフトバンク戦でも、1-1の4回二死走者なしの第2打席、スチュワート・ジュニアが投じた初球のスプリットを右中間に二塁打。「そこも長打を増やしたいので、早いカウントで思いっきりいくことを増やしています」と明かした。
昨年は1日1安打・1四球をテーマにして戦っていたが、今季は「とにかく出ている試合で結果を出すこと、スタメンで出るためにはそういうことをしっかり意識していきたいと思います。バッティングで貢献できるように頑張りたいと思います」と、“結果”のみにこだわる。
取材・文=岩下雄太