◆ 力強い打撃を披露
「今やりたいことをやれていますし、実戦でやれるかどうかというところまでやって、キャンプを終わりたいという感じですね」。
ロッテの井上晴哉は、順調にシーズンに向けて準備を進めている。
昨年の秋にシーズンオフのテーマに「自分のなかで考え方とか、体の使い方とか、バッティングをいろいろ変えないといけない」と挙げていたが、一冬を越えて「感触としてはヘッドをうまく使おうと思ってバッティングをして、『こんな感じかと思うし』、それが実戦にどう活きるかはやってみないと、わからないと思います」と話した。
6日の打撃練習では、「今の時期にやっておかないといけないことのひとつ」とセンターから反対方向を意識した強い打球が目立った。全体練習が終わった後も、室内練習場で緩いボールを黙々と打ち返した。
緩いボールを打っていた理由について井上は、「まっすぐの球を打っているといい音がするんですけど、緩い球は下半身をしっかり使わないと、いい打球音とかいいスイングができない。ある程度、自分の力が球の力を利用しないで、自分のスイングをするということで取り組んでいました」と説明。「ストレートを打つより、ちゃんと自分の形で振らないと当たらない。緩い球を打っていれば間違いないです」と続けた。
◆ タイトルも狙うぞ!
2018年に“4番”を務め、打率.292、24本塁打、99打点をマークしたが、昨季は春先に極度の打撃不振に陥るなど、最終的には18年と同じ24本塁打を放つも、打率.252、打点は65と前年よりも成績を落とした。打順も4番だけでなく、6番や7番にも座った。
井上は昨季、4番であっても9番であっても、やることはしっかりやらないといけないと話していたが、現在は「みんなが信頼してくれるくらいになったらいいと思うし、周りに認めてもらうことができたら。得点を挙げるうえで、役目としては(4番は)キーマンじゃないですか。勝ち取れるように頑張りたい」と4番へのこだわりを見せた。
井上が得点圏で打てば、チームの得点力が上がり、勝利にグッと近づく。その意味でも、打点をどれだけ挙げるかが注目となる。「(打点が)チームに一番貢献が高いと思うので、ホームラン王もそうですけど、打点王とかもチームにとっていいことだと思う。狙っていきたいです」。
本塁打に関しても「40本を狙うつもりでやっていかないと。30本を目標にすると、24本になる。40本打つぞ!という気持ち」と力強く意気込んだ。
「怪我が多くなりがちになってくるので、体のケアをしっかりやりながら、追い込んでいくところも追い込んで、去年を絶対に超えたいと思います」。春季キャンプでの練習や表情を見ると、自信が満ちており、このオフの自主トレーニングが充実していたように見える。大ブレイクした18年から一転、昨季は苦しいシーズンとなった。今季こそは、シーズン通してチームの中心打者に君臨して欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太