右ひじの手術からの復帰を目指しているオリックスの才木海翔投手が、目標とするチームの先輩で、一足先に1軍復帰した岩嵜翔投手からのLINEに励まされ、6月中旬の実戦再復帰を目指している。
「翔さん(岩嵜)から『1軍に上がってくるまで、こっちで頑張っているからな』というLINEをいただきました。僕が勝手について歩いているだけなんですが、早く練習終わりに一緒に引き揚げたいですね」。2軍で調整中の才木が前を見据えた。
才木は、大阪府出身。北海道栄高、大経大から2022年育成ドラフト2位でオリックスに入団した。2年目の5月に支配下登録され中継ぎとして15試合に登板。3年目の昨季は初登板から10試合連続無失点と躍動して勝ちパターンの一角を担い、シーズン終盤には抑えも任され、38試合に登板し2勝1敗、4セーブ、11ホールド、防御率1.87の数字を残した。
シーズン終了後の昨年10月に、右ひじの不安を取り除くため関節鏡視下骨棘切除術・遊離体骨片切除術を受け、今年4月の練習試合で198日ぶりの実戦復帰を果たした。しかし、以後、2軍戦で3試合に登板したが、コンディション不良のため調整を続けてきた。
才木は、昨季途中に中日から移籍してきた岩嵜を「師匠」として仰ぐ。「人生の半分をプロの世界で過ごしている方。人間性も素晴らしく、僕の目指すべき人」と公言。同じ中継ぎとして立ち居振る舞いから学ぼうと、練習時には、ベンチからグラウンドの練習場所までの往復を、岩嵜の後ろをついて歩く。その姿はファンから「カルガモ親子」と呼ばれるほど、仲睦まじい。
そんな岩嵜も、開幕直前にひざを痛めて2軍での調整を余儀なくされ、大阪の球団施設の舞洲では2人で復帰を目指す日々が続いた。1軍へは、岩嵜が6月2日に一足早く昇格。その日に行われた巨人戦(東京ドーム)では1イニングを打者4人、12球、被安打0、奪三振1、与四球0、無失点で復帰登板を飾った。
岩嵜からLINEが届いたのは、その日の試合後だったという。才木が「ナイスピッチング」という意味を込めたスタンプを送ると「お前が上がってくるまで、1軍にいるからな」と返ってきたという。子ガモが早く飛び立てるように促しながらも、いつまでも見守っているから無理せず準備をしておくようにという、“親ガモ”の心境に似た思いだったのだろう。
「舞洲でもファンの方に『練習中、岩嵜さんが一人でいて寂しそう』と言われるんです。翔さんには『待っていてください』と送りました」と才木。10日に26回目の誕生日を迎え、チームの危機を救うためにも「カルガモ親子」の復活を誓った。
取材・文=北野正樹