ロッテ・益田直也は与えられた役割を黙々とこなしチームに貢献している。
益田は2度の最多セーブ、19年から6年連続20セーブ以上挙げるなど、チームがなかなか勝てず苦しんだ時代、Aクラスが常連となりリーグ優勝が目前に迫った2020年代前半と、長きにわたってマリーンズのブルペンを支えてきた。
セーブシチュエーションで最後のマウンドにいるのが当たり前の光景だった。昨季は「数字見ても分かる通り、キャリアで一番ダメな年だったと思います」と、自己ワーストの22試合の登板にとどまり、1勝4敗2ホールド5セーブ、防御率4.35と悔しいシーズンに終わった。
シーズン終了後には「取り組みを変えようと思ってやっています。ランニングはそのままで、トレーニングをちょっと増やしています。この2年入りが悪いので、肩と肘の出来が遅い。早めにキャッチボールを始めて、ゆっくりという感じでやっていますね」と、ZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習、都城秋季キャンプに参加。ウエイトトレーニングも本格的に取り入れるなど、これまでの取り組みから大きく変更。シーズンオフも休まず体を動かした。
シーズンに入ってからも、昨季までは登板間隔が空いた時に試合前練習でキャッチボールを行っていたが、「今年登板間隔が空いている日も多いので、今年ちょっとキャッチボールを続けてやってみようかなという感じでやっています」と、今季は試合前練習のキャッチボールを欠かさず行っている。
ウエイトトレーニングなど、昨年秋から取り組んできたことは現時点で成果として出ているのだろうかーー。
「どうなんですかね、やってなかった場合とやっている場合の結果がわからないので、今は投げていて良くなっているかどうかは半年しか経っていないですし、1年間やってみてどう変わったかどうかですかね」
◆ モデルチェンジ!?
投球面でも変化があった。今季初の実戦登板となった2月23日の中日とのオープン戦、0-5の4回二死一塁で上林誠知に対し2ストライクと追い込んでから3球目、昨季まで投げていなかったカーブでタイミングを外して右飛に打ち取った。オープン戦では6試合に登板して無失点に抑えたが、変化球が多く、モデルチェンジしたようにも思えた。
特に今季はストレート、スライダー、シンカーだけでなく、カットボール、カーブといった球種も駆使して抑え、カットボールとカーブの投球割合は現時点でスライダーよりも高くなっている。
カットボールとカーブが多い理由について「今はデータ野球なので、データしか入っていない球を待っていたりすると思う。一旦そのデータを散らばして、バッターに悩んでもらったらいいかなというので投げています」と説明。
ただ、わからないことがある。練習試合、オープン戦の投球を見て変化球主体の投球スタイルにモデルチェンジをしたかと思ったが、ここ最近の登板ではストレートの割合が増えている。今季の投球割合を見ても、ストレートが全体の47.9%だ。
そのことについて益田に質問をぶつけると、「(バッターにも)そうやって思ってもらえれば、いいかなと思っているので、そんな感じでいければいいかなと思います」と的を絞らせないように、駆け引きをして打者を抑えている。
◆ ビハインドゲームでの登板
長年マリーンズの抑えを務めてきた益田だが、今季はビハインド、3日の西武戦のような大量リードの勝ち試合の9回で登板するなど、痺れる場面での登板がほとんどない。
「どこで投げても一緒なので、誰かがそこを投げないといけないですし、負けているから試合が終わることでもないと思うので、勝つためにはそこでゼロに抑えたら勝つチャンスがあると思う。そこを担う人もいないといけないと思います。そこでなんとか結果を出していければなと思います」。
これまでチームの勝利に直結する一番ハードなポジションを10年以上担ってきた男が、大量ビハインドの場面で登板し黙々と抑えていく姿に、バリバリの守護神を務めてきた時とは違ったかっこよさがある。
「いえいえ、みんないろんなところで投げていると思うので、なるべく背中を見せられるようにと思ってやっています」
今はビハインドゲーム中心で投げているが、勝ちパターンで投げる姿を見たいと思うファンも多いはず。「また(勝ち試合で投げる姿を)見せられるように頑張ります」。3日の西武戦、10-0の9回に益田の名前がコールされた後、スタンドから大歓声。9回のポジションが似合う投手ではあるが、ポジションがどこであっても、チームのために腕を振る姿勢は変わらない。その姿勢を若手選手たちは、しっかりと目に焼き付けてほしい。
取材・文=岩下雄太