◆ 混戦模様のナ・リーグに比べ…

 今季のメジャーリーグは、ア・リーグとナ・リーグで大きく様相が異なる。現地時間5日時点でのナ・リーグの最高勝率は、ブリュワーズで.598(62勝35敗)と6割に満たない。ナ・リーグで最も勝率が低いチームがマーリンズだが勝率は.404(36勝53敗)と何とか4割をキープしている。

 一方のア・リーグはというと、勝率6割超えが4チーム(レッドソックス、ヤンキース、アストロズ、マリナーズ)もあるが、勝率4割未満も3チーム(オリオールズ、ロイヤルズ、ホワイトソックス)と上位と下位の差が大きい。

 ア・リーグの中でも特に目立つのが、オリオールズとロイヤルズの“弱さ”だ。現時点の勝率はオリオールズが.279(24勝62敗)、ロイヤルズが.291(25勝61敗)と、ともに3割を割り込んでいる。

 ロイヤルズは、1試合平均得点とチーム防御率がともに両リーグ通じてワースト。オリオールズは、1試合平均得点がワースト2位、防御率がワースト3位とこちらもひどい状況だ。ともに投打が全くかみ合わず、負け試合を重ねている。

◆ シーズン2割台は過去2例

 ロイヤルズといえば、2014年と15年に2年連続でワールドシリーズに進出し、15年には30年ぶりの世界一にも輝いた。それから僅か3年での低迷だが、16年は81勝81敗、17年も80勝82敗と健闘していただけに今季の不甲斐なさが際立つ。

 一方のオリオールズも2シーズン前の16年に89勝73敗の好成績を挙げ、ワイルドカード枠でポストシーズンに進出していた。こちらは僅か2年での転落劇となった。

 今季は、まだシーズンは折り返し地点を迎えたばかりで、2チームともに盛り返す可能性もあるだろう。しかし、もしシーズンを終えた時点でも勝率2割台にとどまっていれば、近年のメジャーリーグでは極めて“稀”な出来事となる。

 シーズンが162試合制になって以降(ア・リーグが1961年、ナ・リーグは1962年)で見ると、勝率2割台で終えたのは、参入1年目だった1962年のメッツと2003年のタイガースの2例しかない。逆に言うと、参入1年目のチームでも勝率が3割を切ることはほぼないということだ。

 62年メッツは40勝120敗1分(勝率.250)、03年タイガースは43勝119敗(.265)と、ともに多くの借金を背負ってシーズンを終えた。果たして今季のロイヤルズとオリオールズは意地を見せられるのか。それとも揃って低迷したままシーズンを終えてしまうのか。ある意味、両チームの今後からも目が離せない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

八木遊 の記事をもっと見る

【PR】「ABEMA」がMLBを生中継
日本人選手の活躍を無料で視聴できる!

ABEMA × MLB2025

新しい未来のテレビ「ABEMA」では、2025シーズンのMLB公式戦を無料生中継! 開幕前のスプリングトレーニングから、日本人所属チームを中心に厳選試合を配信する。

プレミアム会員なら一部のプレミアム限定配信試合も見放題で楽しめるほか、試合後1週間いつでもフル映像を視聴可能。さらに、みんなで観戦を楽しめる「コメント機能」、試合途中でも最初から視聴できる「追っかけ再生」など機能も充実。

スマホ、PC、タブレット、TVなどマルチデバイスでどこでも観戦できる「ABEMA」でMLBを堪能しよう!

POINT

大谷翔平をはじめ日本人選手が活躍するMLBを無料で視聴可能! TV視聴も可能!

② プレミアム会員なら有料試合も見放題。コメント機能や追っかけ再生で楽しみ方も充実!

③ ABEMAプレミアムは広告なし見放題(月額1,080円)広告あり(月額580円)から選べる!

もっと読む