阪神・立石正広(C)Kyodo News

◆ 白球つれづれ2026・第21回

 阪神の黄金ルーキー・立石正広選手の活躍が目覚ましい。

 先週末の日曜日。スポーツ界では、大相撲で小結の若隆景が大関・霧島との優勝決定戦に勝利。右膝の大けがで、一時は幕下まで降格した実力者が奇跡の復活を遂げた。

 競馬界では、3歳牝馬の頂点を決める「オークス」で、今村聖奈騎手がジュウリョクピエロに騎乗して、女性ジョッキー初のG1タイトルを手に入れる。

 夢も、感動も満載の週末スポーツの中で、立石のスーパーな働きも野球ファンを酔わせるに十分なものだった。

 24日に東京ドームで行われた巨人戦。噂のドラ1ルーキーは、バットで魅せる。巨人のマウンドにはこちらもドラフト1位入団の竹丸和幸投手。注目の対決は第3打席にドラマが生まれた。

 竹丸の147km外角ストレートを捉えた立石の打球は右翼スタンド中段まで伸びていった。逆転の一打はプロ1号。勢いに乗った猛虎打線は一気に畳みかけて巨人3連戦に3連勝。

 この日、2安打を放った立石は19日の対中日戦デビューから5戦連続安打を記録して、新人の球団最長安打記録を更新。特に巨人戦は3戦で14打数7安打1本塁打、5打点と手の付けられない働きでチームを再び首位に押し上げる原動力になった。

 遅れてやって来た“世代最強スラッガー”である。

 昨年のドラフト会議で広島、日本ハムと3球団競合の上、藤川阪神が黄金ルーキーを獲得した。担当スカウト・吉野誠による「スカウティング・レポート」にはこう記されている。

「今年のドラフトの目玉。逆方向にも本塁打を打てる世代最強スラッガー」。まさにプロ1号を予感させる評価だった。

 創価大時代から走攻守三拍子揃った逸材と評判を呼んだ。飛距離だけなら、立石を上回るルーキーもいたが、右打者で逆方向に長打を飛ばせるには高度の技術がいる。内角も、外角も、高めも、低めも、変化球も打ちこなすのだから並みの新人ではない。

 キャンプで右足の肉離れ、開幕前には左手首の関節炎など、プロの船出は故障に泣かされた。「虚弱体質」の陰口まで叩かれたが、じっと耐えて出番を待った。

 それにしても、阪神のドラフト1位組の活躍ぶりは光る。

 16年の大山悠輔を皮切りに、18年近本光司、20年佐藤輝明に、22年森下翔太、そして立石と野手のドラ1組は、ほぼ百発百中の勢いでレギュラーを射止め、主力に成長している。ドラフトでのクジ運の良さもあるが、球団として的確な補強策が実を結んでいる証だろう、

 立石の獲得には“ポスト・サトテル”の狙いもあったはずだ。

 この数年、佐藤選手は近い将来のメジャー挑戦を公言している。昨年オフの契約交渉では、かなり具体的なポスティング移籍まで話し合われたと見られる。一時はキャンプも自費参加かと騒がれるほど難航した。

 岡田彰布前監督(現球団顧問)が「みんなが納得する活躍をしてから、挑戦すればいい」と語ったように、チームへの貢献度を考えれば、もう数年は阪神の四番として活躍が望まれた。

 その佐藤が、今季は25日現在、セ・リーグの打撃タイトル争いの各部門でトップを行く。この勢いなら三冠王も夢ではない。すでにMLB各球団も“佐藤詣で”を繰り返している。さらにチームもリーグ連覇なら、佐藤の移籍は一気に現実味を増して来る。

 24日の巨人戦では立石を「一番・三塁」で起用、本来三塁を守る佐藤を右翼に回し、右翼の森下が左翼の守りに就いた。その狙いを聞かれた藤川球児監督は「適性です。適性ポジションにはまっていけるか。これから交流戦でDHもある。とにかく動かなければ、何も動きませんから」と説明した。

 もちろん交流戦を睨んだ指名打者の活用法や、疲労軽減策が視野にある。だが、少しうがった見方をすれば、佐藤がチームからいなくなった場合の立石のテストの意味合いも透けて見える。

 いよいよ交流戦がスタート。阪神は甲子園で日本ハムと対戦する。

 昨年の交流戦は1位から6位までをパ・リーグが独占。阪神は8勝10敗の8位で終わっている。現在パ・リーグ4位と調子の上がらない新庄ハムだが、エースの伊藤大海投手が初戦に照準を合わせて来る。“パ高セ低”の力関係が続くとしたら、立石にも次なる試金石となりそうだ。

 立石が一軍に加わってから、チームは無傷の5連勝中。チームは勝つ。黄金ルーキーは満点のすべり出し。ここで盤石の首位固めまで出来るか?

 やはり虎の高笑いが聞こえて来る。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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