オリックスの山崎颯一郎投手が、今季途中から習得した“新スライダー”で新境地を開いている。
「まだ感覚がいい時と悪い時がありますが、使えるボールではあります。今後、もっと増えていくと思います」。8月14日の日本ハム戦(京セラドーム)で、中継ぎとして今季3勝目を挙げた山崎が、自信を深めた表情で投球を振り返った。
2‐2の8回から登板。2死から安打を許したが、無失点で退けその裏の味方打線の奮起を促し勝ち星がついてきた。移動日なしで迎えた6連戦の4戦目で、クライマックス・シリーズ進出に向け落とせない一戦。しかも、これまで8回を担ってきた椋木蓮投手を上半身のコンディション不良による登録抹消で欠く中、セットアッパーとしての役目を見事に務めた。
新しいスライダーは、約3か月前から取り組んできた。「ひらめきです。今までのスライダーとは握りを変えたら変化の仕方が全然違ったんです。キャッチボール、ブルペンで試してOKが出たので、最近から使い始めました。結構、独特の変化をするんです」という。
14日の日本ハム戦では、先頭のレイエス選手に2球で追い込んだ後、2球連続して投じた。ボールになり5球目も外れフルカウントになったが、最後は外角低めへの155kmのストレートで見逃し三振に仕留めた。「レイエスにはさすがに(投げるのは)怖かったんですが、決まれば武器になるボールなんで投げました」と山崎。ボールにはなっても、打者の目線を変える効果はあったようだ。
失投もあった。2死から郡司裕也選手に許したのもスライダーだった。「序列は、フォークより上かと言われると、そこまではないんです。そのくらいには高めたいですね」とさらなる精度を求める。
2023年に53試合に登板し、1勝1敗27ホールドで、チームの3連覇に貢献した。以後、上半身のコンディション不良やフォームの迷いなどもあり、伸び悩んだ。今季は前半戦でひじに不安を抱えた時期もあったが好調は維持しており、ビハインドや同点の場面での登板のほか、回またぎもこなした。「ひじの状態もめっちゃいいですし、肩も問題なく投げられています。体のコンディションがいいので、感覚もいいですね」と表情は明るい。
2連投の後の15日には、ベンチ入りした。「(中盤まで接戦で)ワンチャン、出番もありました。ムック(椋木)がいませんし、残り試合も少ない。3連投もいけます」。19日の西武戦(ベルーナドーム)でも、2‐1の8回から登板。打者3人を8球で片付け、今季最速の159kmもマークした。強いストレートが戻り、フォークも操れるようになった。新しい武器で投球の幅を広げ、マウンドで躍動する。
取材・文=北野正樹