◆ 5回9K
ロッテの佐々木朗希は5日、ソフトバンクとのオープン戦に先発登板し、5回を投げ65球、2安打、9奪三振、1与四球、無失点に抑えた。
登板前日の4日、佐々木朗希は球団を通じて「イニングも増えてくると思うので、シーズンに向けてペース配分などを考えながら投げ、引き続き精度も上げていきたいと思います。また様々なシチュエーションがあると思うので、色々と試していけたらと思います」と意気込んでいたが、さすがの投球を披露した。
初回先頭の牧原大成、三森大貴をフォークで連続三振を奪えば、ストレートも初回打者3人に7球投じたが全て160キロ超え。2回には中村晃を自己最速タイとなる163キロの外角ストレートで空振り三振。
3回、リチャードに初安打を許したが、川瀬晃をスリーバント失敗、甲斐拓也を147キロのフォークで空振り三振、牧原大成を161キロのストレートで見逃し三振に抑えた。
4回は先頭の三森に四球を与えるなど、ボール先行の投球となったが、柳田悠岐を3ボールから161キロのストレートで見逃し、続く145キロのフォークで空振りを奪い3ボール2ストライクとすると、最後は148キロのフォークで空振り三振に仕留めた。結局、佐々木朗希は5回を投げ2安打無失点と、三塁を踏ませない投球だった。
◆ 奪三振
対外試合3試合で目立つのが、奪三振の多さと球数の少なさ。
【佐々木朗希の対外試合投球内容】
2月19日vs日本ハム 2回・26球・1奪三振・無失点
2月26日vs西武 3回・42球・7奪三振・無失点
3月5日vsソフトバンク 5回・65球・9奪三振・無失点
前回登板の2月26日の西武戦も3回を投げ42球・7奪三振、この日も5回を投げ65球・9奪三振。奪三振が多いと、球数が多くなる傾向にあるが、佐々木朗希はストライク先行で、追い込んでからも勝負が早い。
この日は9つ三振を奪ったが、5球以内で奪った三振の数は6個。そのうち3球で三振に打ち取ったのは、3回にスリーバント失敗した川瀬、4回に外角の160キロを超えるストレートで簡単に追い込み、最後は147キロのストライクゾーンのフォークで見逃し三振に仕留めたグラシアルと2度あった。
160キロを超えるストレートを投げながら、与四球も3試合10イニングを投げて、わずかに1つと制球力がよい。イニング別の球数を見ても、この日は1回が13球、2回が12球、3回が13球、4回が16球、5回が11球と20球以上投げたイニングが1回もなかった。
前回の西武戦、5日のソフトバンク戦と少ない球数で三振を積み重ね、対外試合3試合の奪三振率は15.30。100球前後の球数を放ったときに、いったい1試合に何個三振を奪うのか気になるところ。
昨年は東京五輪明けの後半戦、6試合・37回を投げて、イニング数を上回る44奪三振、防御率は1.22と安定していたが、今季に入ってからも対外試合では圧倒した投球内容が続く。試合を見ていても、失点しそうな雰囲気が全く感じない。現時点ではシーズンに入ってから『今日、佐々木朗希が投げれば勝てる』と、期待を寄せたくなる。シーズン通して投げた経験がないというのはあるが、1年通してこのような投球を見せたときにどんな成績を残すのか非常に楽しみだ。
文=岩下雄太