「すごいうまくいっている感じがあります」
ロッテの八木彬は前半戦、相手に流れを傾きかけた場面を食い止め、味方の攻撃に繋げる勢いのある投球で、チームに何度も勝利を呼び込み、リリーフでありながらチームトップの8勝をマークした。「野手がめっちゃ打ってくれているので、と言う感じです」と野手陣に感謝した。
前半戦の八木は4月25日のソフトバンク戦、0-0の初回二死三塁で柳田悠岐の1ボール2ストライクの場面で、負傷交代した先発・種市篤暉の後を受けて登板し2回1/3を無失点に抑え3勝目をマークすれば、4月29日の楽天戦、3-2の5回一死一、二塁で先発・西野勇士の後を受けて登板し、伊藤裕季也を1球で三併に仕留め、1球で勝利投手。5月26日の広島戦、0-1の7回に登板し三者凡退に抑えると、直後の8回に山口、ソトの適時打で逆転しバースデー勝利を手にするなど、様々なシチュエーションで投げ勝ち星を積み上げた。
いろんな場面で投げる中で、「浅いイニングの5回とか6回だと思うので、準備をしています。ストレッチだったり、体幹系をお腹入れて、走ってくらいは5回まで常に準備している感じです」と明かした。
その中で最も多いのがロングリリーフ。30試合中14試合で1回1/3以上を投げ、そのうち失点した登板はわずかに2試合しかない。ロングリリーフで好投が続く要因に「ファームで先発させてもらって、イニングの潰し方というか、投げ方というのを力では多分、先発のように4イニング、5イニングいけないと思う。力を抜いてコントロール重視というか、今だとツーシームとかで打たせて取るの方が楽だと思う。そっちで投げているから、凡打が多くなり、球数少なくいけていると思います」と説明。
同点、ビハインドでマウンドに上がる際は「あんまりランナーを溜めずに自分のピッチングをして、テンポ良くやっていくことを心がけています」とのことだ。
◆ ツーシーム
投球面で支えているのが24年途中にサブロー監督(当時二軍監督)の助言で覚えたツーシームだ。
6月7日の巨人戦、1-1の6回一死一塁で坂本勇人を1ボール1ストライクから3球目のインコース147キロツーシームでバットを折っての三ゴロに仕留めれば、6月14日のDeNA戦、4-2の6回一死一、二塁で蝦名達夫を1ボール2ストライクからインコースの148キロツーシームで二併に仕留めるなど、セ・リーグの右打者も封じた。
「セ・リーグでデータはあるとは思うんですけど、はじめましてのバッターばかりだったので、しっかり詰まってくれて、思うようなピッチングができていました。パ・リーグとなってきたら、何回か対戦のあるバッターもいるので考えてやっていきたいです」
相手打者がツーシームを意識している中で、6月14日のDeNA戦、4-2の6回先頭の松尾汐恩を2ボール2ストライクから外角150キロストレート見逃し三振に打ち取った。
「ストレートも使っていかないと、しんどくなっていくというか、スライダー、フォークもしっかり使った中で抑えていく方がピッチングとしては楽なので、そこも継続して使っていきたいです」
パ・リーグの打者は対戦が増えている中で、「インコース意識して待っているバッターもいるのはわかりますし、外真っ直ぐにいったら見逃し三振だったり、打ち取ることもあるので、全部インコースではなくて、外も使っていきたいなという感じです」と話し、「右バッターだとインコースからいくことが多いので、バッターが狙っている感じはありますね」と対策されていることを感じている。
その中で、6月21日の楽天戦、4-4の8回二死満塁の場面で登板し、代打・鈴木大地を1ボールから2球目の148キロ外角ツーシームで遊ゴロ、7月10日のオリックス戦、3-4の5回一死一塁で紅林弘太郎を2ストライクから見逃し三振に仕留めたインコース148キロツーシームも良かった。
7月16日の西武戦、「オリックス戦の時に甘く入って太田に左中間に打たれた。厳しく行こうと思って、インハイボール球に投げたのは良かったと思います」と、2-2の6回一死一、二塁でネビンに投じた初球のインコース147キロツーシームで二飛に打ち取った。
フォークは「フォークも前だと力んで潰してしまってワンバウンドみたいなのがすごく多かったんですけど、それもファームで美馬さんに“フォークと思いながら、腕緩むくらいで投げていいよ”と言われて投げたら、結構うまくいった。それを今もやっているみたいな感じです」と話し、スライダーについても「困った時にスライダーを使っているので、投球の幅が広がっている秘訣になっている感じです」と口にした。
オールスター明けも、マリーンズのブルペンを支える活躍が期待される。「(夏を)超えられそうな感じはあります。水はたらふく飲むことをやっています」と頼もしい言葉。この夏は「自分のピッチングをしていくだけだと思うので、気を緩めずここから頑張りたいです」と決意を述べた。
取材・文=岩下雄太