ロッテ・高橋快秀(C)Kyodo News

 ロッテの高橋快秀は、プロ初奪三振を磨いてきた“フォークボール”で奪った。

 髙橋は25年育成ドラフト2位でロッテに入団し、二軍戦で16試合に登板し、防御率0.00と抜群の安定感を誇り、7月30日に支配下選手登録を勝ち取った。5月までは10回を投げ7奪三振と三振の少なさが課題の一つだったが、6月以降は支配下登録されるまで9回を投げ8奪三振。与四球も5月まで10回を投げ7与四球だったが、6月以降は支配下登録されるまで9回を投げ4与四球と減少。自責点を0で抑えながら、自身の課題を潰してきた。

 “課題”といえば、フォークボールもその一つだった。4月28日のソフトバンク二軍戦、1-0の9回先頭のイヒネ・イツアが3ボール2ストライクから空振り三振を奪った6球目のインコース134キロフォークは素晴らしかった。「入団の時から練習していたんですけど、試合でも投げていて全然決まらなくて、この間の試合は結構、一番良かったかなと思います」と喜んだ。

 その後は納得のいくフォークボールが投げられずにいた。6月23日の取材では「フォークは全然扱えていないので、練習してこれから掴んでいきたいと思います」とポツリ。自身が思い描くフォークが投げられない中で、「フォーク、スライダー、ストレートだけでなく、キャッチボールからしっかり投げられるように意識してやっています」と課題を持って取り組んできた。

 7月15日のオイシックス戦では、5-0の8回一死一塁で左打者のダニエルを2ストライクから低めのフォークで空振り三振に仕留めた。

 「少しずつ僕のイメージ通りになってきているのかなと思います」と話し、「この間三振に仕留めた球はちょっとボールだったので、もう少しゾーンから落として空振りを取りたいなというのがイメージです」と口にした。

 支配下選手登録後、8月4日の中日二軍戦で1回を無失点に抑え、満を持して8月7日に一軍初昇格。そして、同日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)、2-6の9回にプロ初登板を果たす。

 先頭の太田椋に3ボール2ストライクから最速154キロのストレートで四球を与えたものの、続く紅林弘太郎を1ボール2ストライクから151キロのストレートで二併。最後は来田涼斗を2ボール2ストライクから5球目のストライクゾーンからボールゾーンにストンと落ちる140キロのフォークでプロ初奪三振となる空振り三振を奪った。

 髙橋本人も「ファームでも投げたことのないくらい落ちていたので、非常に良かったと思います」と驚く1球になった。ストライクゾーンからボールゾーンに落とすことを求めていた中で、理想的なフォークボールだったのだろうかーー。

 「昨日(8月7日)くらい落ちてくれれば、いいかなと思います。手応えはだいぶありました」

 フォークボールはキャッチボールから意識的に磨いてきた中で、他の選手に握りなど聞いたり、アドバイスをもらったりしたのだろうかーー。

 「そんなに聞くということはなかったんですけど、ブルペンでは昨日(8月7日)くらいのフォークが投げられたり、投げられなかったりだったので、昨日(8月7日)は投げられたので良かったと思います」

◆ ストレート

 ストレートも投じた12球全て150キロ超え。ZOZOマリンスタジアム初登板となった6月23日の中日二軍戦では、ストレートを10球投じたが150キロ超えは4球で最速は151キロだった。7日のオリックス戦でスピードが出ていた理由について、「自分の中ではそんなに変えたつもりはなかったんですけど、勝手に上がったというか、はい」とポツリ。

 スピードが上がった要因は、日々のトレーニングも関係している。「それもあると思います。最近は体の連動性とか、体のスピードアップを重点的にやっています」

 高橋の変化球の武器はスライダーではあるが、プロ初登板はストレートとフォークの2球種中心で抑えこんだ。「ストレートで空振りが取れたので、そこは一番自信につながったと思います」と手応えを掴んだ。

 スライダーに関しても、「初登板では1球投げたんですけど、空振りを取れて、手応えがあります」と自信を見せた。

 二軍で取り組んできたことは「やってきたことは出せたかなと思います」と充実の表情。高橋が昨季までプレーしていた四国ILplus・徳島には毎年のようにドラフトでプロに輩出し、「(阪神の)工藤さんとか、支配下登録された時にも連絡をもらって、しっかり頑張れよという感じで声をかけられているので、頑張りたいと思います」と、現在阪神のセットアッパー・抑えを務める工藤泰成の連絡に感謝し、共闘を誓う。

 この1年で「ストレートもそうなんですけど、一番は変化球」と自身の成長ポイントをあげ、「去年よりも良いかなと思うので、三振を取りたいですね」と意気込んだ。プロのスタートを切った高橋快秀。「自分のスタイルを変えることなくやっていきたいと思います」。こう決意を述べ、ロッカールームに戻った高橋の背中がいつもより頼もしく見えた。

取材・文=岩下雄太

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岩下雄太

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