「敵地で2連勝。2年前と同じパターンです」
10月25日、横浜スタジアムで行われた日本シリーズ第2戦。ソフトバンクがDeNAに4-3で競り勝った直後の勝利監督インタビューで、インタビュアーからこんな言葉が投げかけられた。
すると、スタンドからはどよめきが起こり、一部ではブーイングのような声も上がった。小久保裕紀監督は「あと2つ勝つことだけ考えて」と冷静に返答したが、なぜ事実を述べた一言に、これほど大きな反応があったのか。
2年前の日本シリーズ、ソフトバンクは同じDeNAを相手に敵地で2連勝しながら、そこから4連敗を喫していた。
2024年のソフトバンクはパ・リーグを独走で制した一方、DeNAはセ・リーグ3位からクライマックスシリーズ(CS)を突破。横浜スタジアムで開幕した日本シリーズは、ソフトバンクが5-3、6-3と連勝し、意気揚々と本拠地に戻った。
実は、2年前との共通点はこれだけではない。
2024年のソフトバンクは91勝49敗3分けで貯金42、DeNAは71勝69敗3分けで貯金2。2026年も両球団の勝敗数と引き分け数が完全に一致しているのだ。
対戦相手も開催順も同じで、敵地2連勝まで再現された。実際、小久保監督自身も開幕前、2年前と同じ横浜での開幕について、当時の悔しさがよみがえると語っている。
では、あの悪夢はどのように始まったのか。
2024年の第3戦を前に、当時の村上隆行打撃コーチがDeNA先発の東克樹について、オリックスの宮城大弥と比較し「宮城の方が断然いいので」と発言。相手投手への評価を巡って物議を醸した。
もっとも、東自身は日本一決定後、宮城の投球を参考にしていたことを明かし、村上コーチの言葉にも理解を示している。
さらに第3戦では、東が投球時のファンからの指笛を問題視して試合が一時中断。小久保監督が試合後、場内アナウンスの「口笛」という表現について「みんなで大爆笑していました」と語ったことも波紋を広げた。
一方、肝心の試合では、ソフトバンク打線が第3戦から急失速した。
第3戦は東に7回1失点と抑えられると、第4戦、第5戦は連続完封負け。第6戦も2-11で大敗し、29イニング連続無得点という日本シリーズのワースト記録も残した。圧倒的な強さを見せていたリーグ王者が、まさかの4連敗で日本一を逃したのだ。
あれから2年。今回は、同じ2連勝でも中身が違う。
2024年は2試合で計11点を奪って連勝したが、今年は2試合とも終盤に追いつかれたり逆転されたりする苦しい展開だった。第1戦では2年目の庄子雄大が延長11回に決勝二塁打を放ち、第2戦では9回に代打・山川穂高が同点弾、延長10回には途中出場の川村友斗が決勝本塁打を放った。
2年前は故障の影響で代打待機だった近藤健介も、今回はスタメン出場。主力だけでなく、控え選手も勝負どころで結果を残している。
ただ、気になる点もある。セットアッパーの松本裕樹は第1戦で牧秀悟に同点ソロ、第2戦では筒香嘉智に逆転3ランを浴びた。いずれも打線が勝ち越して白星をつかんだものの、終盤の継投には不安が残った。
2年前も第1戦では、5点リードの9回にオスナが3失点していた。しかし、今年は2試合とも終盤にリードを失い、延長戦にもつれ込んだ。
2年前、流れが変わったのは福岡に戻ってからの第3戦だった。10月27日、再び本拠地で迎える第3戦。ホークスは今度こそ、4連敗の悪夢を振り払えるだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)