ロッテ・小川龍成(撮影=岩下雄太)

 ロッテの小川龍成はトルピードバットに戻した4月18日の楽天戦の第2打席以降、マザーズデーでトルピードバットを使用しなかった5月10日のソフトバンク戦の第1打席を除くと、打率.361(61-22)の高打率をマークする。

 小川はオープン戦で打率.344をマークしたが、4月14日の日本ハム戦後には打率.105まで落ち込んでいた。翌15日の日本ハム戦では、「ちょっと足の上げ方というか、タイミングの取り方を少し変えた部分があるので、シーズン通して修正しながらというところで、15日はああいった形で打つようにしました」とタイミングの取り方を変え、2安打。16日の日本ハム戦も2安打と2試合連続マルチ安打を達成すると、18日の楽天戦ではトルピードバットを使用した0-4の4回二死一、二塁の第2打席、「なんとかチャンスでランナーを返すことができて良かったです」と、ウレーニャからライト前に適時打を放った。翌19日には猛打賞で打率を.268まで上げた。

 3月3日の取材で小川は「1年間全く同じでいけるとは思っていないので、シーズンの中で体と相談しながら、時にはトルピードを使う時もあると思うんですけど、そこは状態を見ながらやっていきたい」と話していた中で、トルピードバットに戻した理由について「新しいバットにして開幕結果出なかったので、リフレッシュ、気分転換しに変えてみたら良くなったので、そこからずっと使っています」と説明した。

 4月29日の楽天戦、5-2の6回二死走者なしの第3打席、宋家豪に対しファウルで粘り2ボール2ストライクから10球目の138キロチェンジアップを三遊間を破るレフト前安打は、これまで取り組んできたバッティングで結果を残しただけでなく、非常に内容のある打席だった。

 「しっかりああいった形で粘りたり、その結果ヒットが出たりというところ。調子のバロメーターじゃないですけど、ああいった打席が増えれば、自ずと結果が出てくると思ったので、すごいいい打席になってきたかなと思います」

 “三遊間に低くて強いライナーで打てる感覚”を身につけるため23年11月の秋季練習から必死にバットを振ってきたが、ここ最近は反対方向だけでなく、引っ張ったあたりも増えている。5月10日のソフトバンク戦、2-3の5回一死走者なしの第3打席、前田悠伍が1ストライクから投じた2球目のインコース高めのストレートをライト前に引っ張った安打が良かった。今後も状況やコースによって、引っ張ったバッティングも増えていくのだろうかーー。

 「特に引っ張りという意識はないですけど、タイミングだったり、スイングだったりというのはいいスイングができているので、結果的に引っ張れている。無理に引っ張りというよりかは、自分のスイングした中でコースなりタイミングで、引っ張った打球も増えればいいかなと思います」

 開幕から9番の打順で出場することが多かったが、8日のソフトバンク戦以降は2番、13日の日本ハム戦では1番の打順で出場した。上位の打順でも、「自分1人で1点は取れない。そこは前のバッター、後ろのバッターに良い形で繋げられるような役割かなと思っているので、そこは常に意識してやっています」と、9番で出場していた時と変わらず、次の打者に繋いでいく意識で打席に立っている。

◆ セカンドでも好守備

 バッティングだけでなく、セカンドの守備でも素晴らしいプレーでマリーンズファンを沸かせている。

 5月8日のソフトバンク戦、5-3の8回一死走者なしで近藤健介の一、二塁間のライト前に抜けそうなあたり、あらかじめ後ろに守っていたセカンド・小川がダイビングキャッチし素早く一塁へ送球してアウトにすれば、翌9日のソフトバンク戦、4-4の8回先頭の周東佑京の一、二塁間の当たりで飛び込んでキャッチしすぐに立ち上がり一塁に送球しアウトにした。

 「ああいったプレーは紙一重なプレーが多いと思います。そこまで特に意識はしていないですけど、感覚でポジショニングが取れているので、そこはいい方向に行っているのかなと思います」と冷静に振り返りながらも、「ただ、ああいったプレーよりかは、ピッチャーが打ち取った打球を確実にアウトにするのが一番だと思うので、そこは意識してやっています」と、気を引き締めた。

 昨季まではショート、セカンドの両方で出場していたが、今季はセカンドのレギュラーとして出場を続けている。「とにかくしっかり1年間試合に出るところが目標。今はしっかり結果も出ていますし、しっかり継続できるようにやっていきたいと思います」。

 13日の日本ハム戦では、ファースト・大卒3年目の上田希由翔、サード・高卒3年目の寺地隆成、ショート・大卒4年目の友杉篤輝と、小川が内野手の中では年齢が一番高い試合が増えている。「寺地がサード入ったり、友杉ショートで、(上田)希由翔がファーストだったり、年齢が若い子が多いと思うので、自分が周りを見ながら声がけしたりだとか、まとめ役じゃないですけど、そういったところで周りを見て引っ張っていければなと思っています」

 「短期的な結果だけだとダメだと思うので、1年間通して結果が出るように、これから今の調子を継続できるように練習していきたいと思います」。開幕直後こそ苦しんだが、目指すべき方向性はカチッと決まっており、しっかりと修正して、バットでは現在打率.302をマークする。守っても、広い守備範囲を武器に、今季もここまで無失策と安定。マリーンズの欠かせないプレーヤーになったが、これをシーズン通して披露できるかが、不動のレギュラーになるため重要になってくる。

取材・文=岩下雄太

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この記事を書いたのは

岩下雄太

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