交流戦の熱気が渦巻く横浜スタジアムに、ベイスターズらしい野球が戻ってきた。怪我で戦線を離脱していたキャプテン・牧秀悟の復帰、そして昨年の調子を取り戻してきた蝦名達夫の1,2番起用。相川亮二監督が仕掛けたこの新打線コンビが、いま打線を牽引している。
4日の楽天戦では7点差をひっくり返すド派手な勝利を手にし、そのままの勢いで交流戦首位のソフトバンクを打ち砕いたベイスターズ打線。
この2試合、打線を力強く引っ張っているのが9打数6安打の蝦名達夫と10打数5安打6打点の牧秀悟の新コンビとなっている。ここまで深刻な得点力不足に悩んでいたチームとは思えないほど、現在の打線には一本の太い“繋がり”が通っている。
その中心にいる蝦名について、相川監督は最大級の賛辞を惜しまない。
「西武戦ぐらいなのかな。通常の蝦名から、すごく状態のいい蝦名になってるとは僕も感じています。そういう意味でも繋がりが出ているかなと思いますね」
昨年の終盤から1番に座り、33試合連続出塁でシーズンを終えた蝦名。今年は開幕から調子が上向かなかったが、ここに来て本来の姿が戻ってきていると指揮官も公言する。
蝦名が作った最高の流れを引き継ぐのが、復帰したばかりの牧秀悟。今年は1番を任されていたが、復帰後相川監督は2番に牧を据えた。
この起用意図について、相川監督は牧の技術的な進化をこう分析する。
「離脱して帰ってきて、打撃も少しバージョンアップしている。僕は(ボールを)見ている形もすごくいいと思いますし、スタイルが少しまた上がったように見えます」
指揮官の言葉通り、牧自身も離脱期間をただの回復に充てたわけではなかった。
「リハビリ期間中でやりたいことを1からできたので、それを今は試合で出せている。それがいいかなと思います」
そう手応えを語る通り、復帰直後から打棒は冴え渡っている。前日の同点タイムリー、そしてこの日のホームラン。いずれも初球の甘い球を完璧に捉えたものだった。
「その前の打席でまっすぐを2つ見送ってましたし、チャンスだったので、積極的にいった中でした」
積極性と確実性の増したバッティング。さらに後ろへと繋ぐ意識も好結果につながっている。2024年は打率.344と高い数字をマークしたこともあり、“2番”の打順についても好意的に捉えている。
「やったことある打順でもありますし、前の(蝦名)達夫さんがいっぱい塁に出てくれるので、あとは後ろにどんどん繋げていけるように、それだけを意識しています。後ろにいいバッターがいますし、ピッチャーも3、4番と繋げられたら嫌だと思う中での打順だと思うので、甘い球が増えたりすることもある。その甘い球を逃さなければ、またいい形で後ろに繋げていける」
1番の蝦名がしっかり出塁し、2番の牧がバージョンアップした打撃で襲いかかる。さらに宮﨑敏郎や筒香嘉智、佐野恵太といった、相川監督が「期待できる、期待してる選手たち」と信頼を寄せる主軸で得点する。理想のパターンがここ2試合で見えてきた。
安定した「1番・蝦名」と、凄みを増した「2番・牧」。この「えびまき」コンビの攻撃力が、打線を活気づける原動力となる。
取材・文 / 萩原孝弘