オリックスの高卒7年目の紅林弘太郎内野手が、トミー・ジョン(TJ)手術を受けリハビリ中の盟友、宮城大弥投手が復帰するまでにレベルアップを果たしたいと、後半戦に臨んでいる。
「毎日、戦っていて自分のことで精一杯なんですが、アイツが帰ってくる時までに、レベルアップをしておきたいと思っています」。紅林が、宮城のいない夏を前向きに闘っている。
2019年ドラフトの同期生。1位で入団した宮城(沖縄・興南高)と、2位の紅林(静岡・駿河総合高)は入団当初から仲が良く、ともに2年目から1軍の戦力として活躍し、ファンから「みやくれコンビ」と呼ばれチームを支えてきた。
その宮城は今季、開幕直後に左ひじを痛めて戦列を離脱。5月に米国でTJ手術を受け、1年間のリハビリ期間に入った。「もういなくなって3か月以上も経つので、いない風景になれたんですが、やっぱり宮城がいないというのはすごくでかいなと。エースですし、いないとこういうチーム状況になるんだなと痛感させられました。存在はすごく大きかったんです」と紅林。
改めて、けがなくシーズンを過ごすことの大切さも知った。「宮城に限らず、投手陣にけが人が多くみんな悔しい思いをしていると思います。チームも苦しいだけに、僕はけがなくできているということを幸せに感じて、みんなの分もではないですがやることをやるだけかなと思っています」
宮城とは、ちょくちょくLINEで連絡を取るという。「めっちゃ、悔しそうです。1年間、投げることができないというのは苦しいですし、野球選手から野球を取ったら何が残るんだろうというところでしょう。僕も野球をしていて苦しい時があります。エラーもします。でも野球ができるだけでありがたいことですし、野球で悩めていることはとても幸せなことだと宮城を見ていて思います。そういう気持ちを忘れず、常にやることを全力でやりたいと思っています」と真情を吐露する。
体の使い方と真剣に向き合って、1年が過ぎた。体の各部分を無駄なく使って出力に結び付けられるようなストレッチや動作を繰り返す。球宴期間中にも、全体練習前に1m近い高さのボックスから飛び降り片足で着地してバランスを取ったり、メディシンボールと呼ばれる重量のあるボールを高く放り上げたりする基本動作を繰り返した。
「柔軟性とか筋力のレベルアップが目的です。数値的にも伸びていますし、感覚的なものでもよくなっているものがあります」。20本を目指す本塁打は、7月23日のソフトバンク戦(みずほPayPay)で9回に同点となる12号3ランを放ち、キャリアハイを更新中だ。8月2日現在の長打率.419、出塁率と長打率を合わせたOPSも.753と昨季を上回っている。
「やっているときは苦しいのですが、同じことをやり続ければ絶対に結果がついてくると思います」。2軍投手コーチ時代の岸田護監督からは「天才」と呼ばれていた紅林。天賦の才能にたゆまぬ努力を融合させ、紅林が成長を続ける。
取材・文=北野正樹