コラム 2017.04.17. 18:00

【白球つれづれ】西武・辻野球の申し子

無断転載禁止
西武期待のルーキー源田

白球つれづれ2017 ~第7回・源田壮亮~


 新人なのに新人らしくない。すでに5年も6年もレギュラーでプレーしているような風格すら感じる。西武のドラフト3位、源田壮亮の評価がうなぎ上りだ。

 16日に行われたロッテ戦。3安打の猛打賞を初めて記録すると、2四球に盗塁まで決めて2番打者としての仕事を果たし大勝(10-2)の立役者となった。さらに7つのゴロと2つの飛球も危なげなく処理して目下、無失策を続けている。

 西武では81年の石毛宏典以来、36年ぶりの新人開幕先発出場を果たした。昨年のドラフトでは巨人に吉川尚輝(中京学院大)中日に京田陽太(日大)が即戦力の遊撃手として上位入団。だが3位にも社会人(トヨタ自動車)ナンバーワンの堅守を誇る掘り出し物がいた。


低迷からの脱却に向けたキーマン!?


 近年、Bクラスに沈む西武には大きな問題点があった。中村剛也やE・メヒアに代表される長距離砲が並ぶ打線の破壊力はリーグ屈指でも守れない、走れない、の片肺野球。昨季はついにチーム失策101個のワースト記録まで塗り替えてしまった。同盗塁数97もリーグ4位で黄金期の走攻守で他を圧倒した面影はない。

 そこに新監督・辻発彦の誕生である。彼もまた社会人・日本通運からドラフト2位で入団。広岡達朗から基本に忠実な守備を叩き込まれ、森晶祇から自己犠牲の勝つ野球を教え込まれた。

 失点を未然に防ぎ、相手よりも1点を多くもぎ取る。それには何をすべきか?キャンプから取り組んできた改革の大きなポイントは守備ならセンターラインの強化、さらに走力のある若手を起用すれば盗塁だけでなく守りも強固になる。

 打者にはホームランばかりに頼らずケースによっては軽打も要求。このすべてでキーマンとなり得るのが源田だった。


「状況判断の出来る選手」


 ライオンズのショートと言えば前述の石毛に始まり田辺徳雄、松井稼頭央(現楽天)に中島宏之(現オリックス)と黄金伝説は続いたが、最近は鬼崎裕司や永江恭平らの猫の目起用で悩みの種となっていた。

 ここに守備には定評のある源田が入ることで捕手・炭谷銀仁朗、二塁・浅村栄斗、中堅・秋山翔吾と鉄壁のセンターラインが出来上がる。加えて打撃には不安もあった源田だがプロの舞台に慣れるにつれて輝きを増している。

 「状況判断の出来る選手」と評価するのは主将でもある浅村だ。例を挙げよう。クロスゲームの無死二塁での攻撃。いくら猛烈ライナーでも三塁や左翼に飛んではチャンスにつながらない。ボテボテの二塁ゴロなら一死三塁。続く犠牲フライで得点となる。

 こうした当たり前のプレーをそつなくこなせるから打率は目下.239(4月17日現在)でも首脳陣の評価はそれ以上にある。堅守の遊撃に「つなぎ役」の二番打者。脚力もある。まさに辻野球の申し子だ。


偉大な先達の下で…


 「実戦に強いタイプ。今のところ何も言うことはないよ」と指揮官は全幅の信頼を寄せている。新監督である辻のルーキー時代を見てみると出場は41試合に限られ打率も.209と低調だった。

 それがプロ3年目にレギュラーに定着すると打率.296で57打点、35盗塁の活躍。その後は首位打者に輝きゴールデングラブを8度受賞、球界を代表する名二塁手の座を不動のものとした。

 この辻に限らず宮本慎也(プリンスホテルからヤクルト)もプロ入団直後は「守備の人」の評価があった。いずれも人一倍の努力があって打撃も磨かれていった。現時点では非力さも感じる源田だが偉大な先輩たちに肩を並べる時がやがてくるか!?

 昨年までエースの座に君臨していた岸孝之がFAで楽天に移籍。戦力ダウンが不安視された西武だがB・ウルフや野上亮磨ら投手陣が健闘し、辻野球の浸透もあって上々の滑り出しだ。つなぎに徹し、玄人受けするプレーが身上の源田。スポーツ紙の見出しにはなりにくくても要注目のルーキーには違いない。


文=荒川和夫(あらかわ・かずお)


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※初出の際、浅村選手の名前に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。

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