◆ 2017年のセ・リーグを予測
12球団一斉キャンプインから早2週間。気づけば開幕まであと1カ月半に迫ったプロ野球界。オープン戦すらまだ始まっていない時期であるが、今回は2017年セ・リーグのペナントレースの行方を大胆に予測してみる。
◆ 広島連覇の可能性は?
昨季は“赤ヘル旋風”に沸いたセ・リーグ。25年ぶりの歓喜から年が明け、今年はどのチームが広島の勢いを止めるのか。これが大きな見どころのひとつとなる。
「広島連覇の可能性は?」――。あるかないかでいえば、もちろん可能性はあるだろう。ただし、かなり厳しいと見る。
昨年は投打ともに“出来過ぎた感”が否めず、2年つづけてチーム全体が同等のパフォーマンスを見せるというのは至難の業だろう。
加えて、精神的支柱だった黒田博樹の抜けた穴は大きい。僅差の3位に終わると予想する。
◆ ズバリ、優勝チームは?
では、セ界を制するのは一体どのチームになるのか…。そこで推したいのが、昨年は首位・広島に19.5ゲームの差をつけられ、3位に終わったDeNAである。
昨年チームで唯一2ケタ勝利を挙げた山口俊が巨人に移籍したものの、その穴は複数の先発投手で十分カバーできると見る。
期待したい若手投手が多いDeNA。特に今永昇太と石田健大のサウスポー2人と、昨年7勝11敗に終わった井納翔一の3人にはラミレス監督も大きな期待をかけており、あわせて35~40勝を稼ぎ出すことができれば、一気に首位争いに持ち込むことが可能だろう。
加えて、抑えの山崎康晃が2年前の安定感を取り戻すことができればもう言うことはない。今年の広島のような独走劇になる可能性もあるのではないか。
◆ 巨人に逆転の目は?
なお、DeNAに次ぐ2位は巨人と予想。新戦力の出遅れ感は否めないものの、大補強もあってやはり地力がある。
昨季は得点がリーグ4位(6位の中日とは僅かに19点差)という貧打に泣いたチーム。特に2番打者と8番打者には毎年のように苦労しており、そのウイークポイントを解消しないことには優勝は難しいか。
逆に、捕手の小林誠司あたりが打率を.260前後まで上げてくれば、一気に打線につながりが生まれて得点力は大幅に向上するだろう。DeNA、巨人、広島の3球団の実力は紙一重だが、最後は監督の“采配力”の差で順位が決まると見る。
◆ Bクラスからの逆襲は?
昨年セ・リーグのBクラスに終わったのは阪神、ヤクルト、中日という3チーム。まずはCS進出を狙っていきたいところだが、上位3チームに割って入っていくのは容易ではない。
チャンスがあるとすれば阪神か。しかし、それには2つの条件がそろう必要がある。藤浪晋太郎の完全復活と新外国人キャンベルの活躍だ。
数字でいうと、藤浪は「200イニング」と「防御率2.50前後」を、キャンベルは「打率.280」、「25本以上」は残したいところだ。この2つの条件が達成できれば、3位浮上も見えてくる。
予測から順位をまとめると、以下のようになった。
【2017年セ・リーグ順位予想】
1位 DeNA
2位 巨人
3位 広島
4位 阪神
5位 ヤクルト
6位 中日
こう見ると、昨年の1位と3位がひっくり返った形に。上位3チームは主力のケガ、アクシデントなどの要素で順位が入れ替わってもおかしくないだろう。
2017年のプロ野球は、3月31日(金)にセ・パ一斉に開幕。なお、この大胆予測の「反省会」は、シーズン後に必ず行いたいと思う。
文=八木遊(やぎ・ゆう)