ドジャース・大谷翔平

◆ ナ・リーグ初のMVP獲得へ

 大谷翔平のバットから快音が止まらない―――。

 ドジャースの大谷は現地20日(日本時間21日)のロッキーズ戦に1番指名打者で先発。初回の第1打席に2試合ぶりとなる今季21号を放つなど、3打数1安打2四球の活躍でチームの勝利に貢献した。

 大谷は初回の一発でナ・リーグ本塁打王争い単独トップに立つとともに、首位打者争いでもリーグ2位に浮上。一時のスランプからは完全に脱出したようだ。

 また、同僚ムーキー・ベッツの戦線離脱もあって、大谷がナ・リーグMVP争いの最有力候補に浮上している。『FanDuel』など現地の主要ベッティングサイトは軒並み大谷を1番人気の大本命に支持している状況だ。

 開幕から指名打者としての出場が続いている大谷だが、守備での貢献度ゼロというハンデを克服し、自身3度目、ナ・リーグではもちろん初となるMVP獲得なるかに注目が集まる。

 一方で、現地からは「ドジャースに移籍して良かった」という声も聞こえてきそうだ。

 というのも、大谷が昨季までプレーしていたア・リーグのMVP争いが非常にハイレベルとなっているのだ。

 選手の勝利貢献度を測る指標の一つに「WAR」というのがある。打撃だけでなく、走塁や守備も加味しており、この数値がMVPに直結するケースも少なくない。

 例えば昨季のWAR(Fangraphs版)でア・リーグ1位だったのは大谷(当時エンゼルス)、そしてナ・リーグ1位がロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)だった。どちらもそれぞれのリーグで満票MVPに輝いたのは記憶に新しい。

 今季は大谷がナ・リーグに移ったため、アクーニャとの一騎打ちも予想されていた。ところがライバル外野手は開幕から打撃不振に陥ると、先月下旬に左膝前十字靭帯断裂の大ケガで戦線離脱。今季中の復帰は絶望となっている。

◆ 熾烈を極めるナ・リーグのWARランキング

 20日終了時点のナ・リーグWARランキングは、1位が大谷で3.9。これを3.5のベッツ、3.2のブライス・ハーパー(フィリーズ)らが追う展開となっている。

 一方のア・リーグは、なんと大谷の3.9を上回る選手が4人もいる状況。5.2のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)を筆頭に5.1のガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)、4.7のボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)、4.6のフアン・ソト(ヤンキース)の3人が僅差で追いかけている。

 つまり、WARの数値で比較すると大谷はア・リーグではなんと5位相当。もし大谷がア・リーグ在籍なら、MVP争いでかなり不利な立場にいるということになる。

 2年連続3度目のMVPを狙う大谷とすれば、ここからさらに調子を上げて後続を引き離したいところ。ただ、他のライバル選手もこのまま引き下がるわけにはいかないだろう。ナ・リーグMVP争いの更なる激化に期待したい。

【ア・リーグWAR(Fangraphs版)ランキング】
1位 5.2 アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
2位 5.1 ガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)
3位 4.7 ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)
4位 4.6 フアン・ソト(ヤンキース)
5位 3.3 タナー・ホウク(レッドソックス)

【ナ・リーグWAR(Fangraphs版)ランキング】
1位 3.9 大谷翔平(ドジャース)
2位 3.5 ムーキー・ベッツ(ドジャース)
3位 3.2 ブライス・ハーパー(フィリーズ)
3位 3.2 ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)
5位 3.0 ウィリー・アダメズ(ブルワーズ)

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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