セ・パともに野手が新人王っていつ以来?
楽天のルーキー茂木栄五郎は12日、本拠地でのオリックス戦でプロ入り後自身初となる1試合2本塁打を記録した。
茂木はここまで、101試合に出場して打率.283、6本塁打、36打点の成績を残しており、パ・リーグ新人王候補の筆頭だ。一方セ・リーグは、新人歴代3位となる12度の猛打賞を記録する阪神の高山俊が、ルーキー離れした活躍を見せている。セ・パともに野手が新人王を受賞するという可能性も出てきた。
新人王は投手が圧倒的に多く、野手の新人王はというとセ・リーグが2010年の長野久義(巨人)、パ・リーグではなんと1998年の小関竜也(西武)を最後に出ていない。
21世紀以降、セ・リーグでは5人の野手新人王が誕生しているのに対し、パ・リーグでは1人もいないというのは驚きだ。
最後の「両リーグで野手が新人王」は...?
直近の「両リーグ揃って野手が新人王を受賞したシーズン」を調べてみると、いまからちょうど20年前の1996年まで遡る。
この年はパ・リーグが金子誠(日本ハム)、セ・リーグは仁志敏久(巨人)が受賞した。
金子は常総学院から93年のドラフト3位でプロ入り。プロ3年目だったこの年、二塁のレギュラーに定着し、リーグ最多の38犠打を記録。117試合に出場して、打率.261、4本塁打、33打点の成績を残した。
仁志は95年ドラフト2位で巨人に入団。1年目から三塁のレギュラーとして出場し、打率.270、7本塁打、24打点を記録した。首位・広島と最大11.5あったゲーム差をひっくり返しリーグ優勝した“メークドラマ”にも貢献している。
81年は純粋なルーキー野手が新人王
金子はプロ3年目での受賞となったが、純粋な“新人で見てみるとさらに昔。今から35年前の81年のことになる。この年の新人王は、石毛宏典(西武)と原辰徳(巨人)だ。
石毛はプリンスホテルから80年ドラフト1位で西武に入団し、遊撃のレギュラーとして活躍。新人ながら落合博満(ロッテ)と首位打者争いを繰り広げるなど、打率.311を記録した。
原は東海大から80年ドラフト1位で巨人に入団。王貞治氏が引退した翌年にプロ入りした原は、プロ2戦目に中日の小松辰雄からプロ初本塁打を記録する。その後も、バットで存在感を示し、打率.268、22本塁打、67打点をマークした。
その他の年を見ても、80年以上のプロ野球の歴史を誇るが、52年、59年、69年、84年と新人王の野手は6例しかない。野手が新人王を獲得することが難しいかが分かる。茂木と高山の2人は久しぶりの野手新人王を受賞することができるだろうか。
両リーグ揃って野手新人王の成績
・1952年<パ>
中西太(西鉄)
111試 率.281 本12 点65
<セ>
佐藤孝夫(国鉄)
104試 率.265 本14 点33
・1959年
<パ>
張本勲(東映)
125試 率.275 本13 点57
<セ>
桑田武(大洋)
125試 率.269 本31 点84
・1969年
<パ>
有藤通世(ロッテ)
111試 率.281 本12 点65
<セ>
田淵幸一(阪神)
117試 率.226 本22 点56
・1981年
<パ>
石毛宏典(西武)
121試 率.311 本21 点55
<セ>
原辰徳(巨人)
125試 率.268 本22 点67
・1984年
<パ>
藤田浩雅(阪急)※2年目
98試 率.287 本22 点69
<セ>
小早川毅彦(広島)
112試 率.280 本16 点59
・1996年
<パ>
金子誠(日本ハム)※3年目
117試 率.261 本4 点33
<セ>
仁志敏久(巨人)
114試 率.270 本7 点24