「三浦大輔はこれからも横浜」
その場にいた人々は皆、三浦大輔の“ファン”だった。
球場に詰めかけたファンはもちろん、チームメイトや関係者、裏方さん、チアガールも泣いていた。横浜一筋25年、誰よりも“ファン”を愛し、“ファン”から愛された選手だった。
セレモニーの冒頭にはショートムービーのような動画が流れ、慣れ親しんだ横浜スタジアムのマウンドで最後の挨拶。
「三浦大輔はこれからも横浜です。ヨロシク!」
最後は晴れやかな表情で挨拶を締めくくった。
最後の場内一周に要した時間はおよそ12分。ベンチ前に残ったヤクルトの選手も一人ひとり全員と握手を交わし、スタンドのファンとも可能な限り手を伸ばして触れ合った。
ファンへの愛に溢れた最後の時間。「三浦」「大輔」「番長」...ファンの声は最後の最後まで止むことはなかった。
三浦大輔・引退セレモニー全文
本日は三浦大輔のために、このようなセレモニーを開いていただいて本当にありがとうございます。
1992年に、大洋ホエールズ最後の試合でプロ初登板をしました。
その時、遠藤一彦さんの引退試合があり、2年目には斉藤明夫さんの引退試合があり、
それをグラウンドレベルで見て、自分もこういった引退セレモニーをしてもらえる選手になりたいなと思って頑張ってきました。
あれから25年。たのしいこともいっぱいありました。
僕が勝って喜んでいるのに、みなさんはそれ以上に喜んでくれて、僕はそれを見てまた喜んでいました。
しかしそれ以上に、いっぱい負けました。
今日も、最後の最後までみなさんに迷惑をかけて本当に申し訳なかったと思います。
苦しい時もいっぱいありました。
心が折れそうな時もいっぱいありました。
でも頑張って来れたのは、みなさんが背中を押してくれて、声援を送ってくれたおかげで、
ここまで倒れずに前を向いて一歩ずつ踏みしめてこれました。
本当にたくさんの人に愛されたと思っています。感謝しています。
いろいろなことを考えてきたんですけど、頭の中が真っ白です。
今は本当に、このようなことをしていただき、最高に気分がいいです。
できることなら、このまま時間が止まってくれればなぁと思っています。
でも、チームはクライマックスシリーズが控えています。やっとCSに出れます。
どんどんチームが変わってきて、苦しかったことを乗り越えて、
やっと横浜DeNAベイスターズいいチームになったよなってみんなに自慢できます。
横浜一筋で25年来れたのもみなさんのおかげで、
横浜一筋で来れたことを誇りにこれからの人生も頑張って行きます。
ヤクルトスワローズの皆様も、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございます。
ヤクルトファンの皆様も本当にありがとうございます。
横浜DeNAベイスターズのスタッフ、選手、監督・コーチ、球団職員の皆様、本当にありがとうございます。
そして普段、口に出して言えないですけど...
グラウンドではファンの方々に支えてもらいました。家に帰れば、家族が三浦大輔を支えてくれました。
本当にありがとう。
三浦大輔を25年間応援していただき、本当にありがとうございました。感謝します。
今シーズンをもちまして、現役を引退しますけども......
これからも三浦大輔はずっと横浜です!ヨロシク!
ありがとうございました!