出場数トップ4に戸柱、倉本、桑原
DeNAは19日、鹿児島・奄美大島での秋季キャンプを打ち上げた。このキャンプでは「凡事徹底 ~GOING BACK TO THE BASICS~」をスローガンに掲げ、若手中心のメンバーで基礎練習を中心に汗を流した。
2016年シーズンは故障者が相次ぎ春先こそ躓いたが、徐々にチーム力が噛み合い始め、球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出を果たしたDeNA。投手、野手ともに若手の台頭が目立ったシーズンだったが、3位躍進の大きな要因だと感じるのはセンターラインの強化だ。
新指揮官に就任したラミレス監督は、オープン戦の早い段階で、社会人出身のドラフト4位ルーキー・戸柱恭孝を正捕手争いの中心に据える意向を示した。その期待通り、新人捕手は1年目から124試合(先発110試合)に出場。序盤はファウルフライの落球が目立つなどミスも多かったが、安定したキャチングとブロッキング能力を武器に、投手陣からの信頼を勝ち取った。
遊撃では2年目の倉本寿彦が攻守両面で成長。春先は新人の柴田竜拓らにポジションを奪われることもあったが、終わってみれば自己最多の141試合に出場。特に打撃面の飛躍が目覚ましく、1年目の打率.208を大幅に上回る.294を記録した。
中堅のレギュラーには高卒5年目の桑原将志が定着。6月20日の日本ハム戦以降は全試合で1番打者を務め、打率.284、出塁率.356をマーク。さらに11本塁打と非凡なパンチ力も披露し、不動のリードオフマンに成長した。
近年のDeNAはセンターラインを固定できないシーズンが続いていたが、今年は若手の成長と指揮官の信念もあり、チームとしての骨格ができた印象を受ける。それは出場試合数を見てもわかる通り、チームトップは倉本の141試合で、2位は筒香と並び131試合の桑原、そして4位は124試合の戸柱だった。梶谷隆幸、ロペスら、主力野手の故障離脱があったはいえ、トップ4を捕手、遊撃手、中堅手のレギュラーが埋めている点は素晴らしい。
前ヤクルト・田中も加わる二塁争い
一方、石川雄洋、宮崎敏郎、エリアンが主に守った二塁は最後まで固定できなかったが、来年からはこのポジションに前ヤクルトの田中浩康が加わる。ラミレス監督とかつてチームメイトだったベテランは、堅実な守備と状況に応じた打撃に定評がある選手。若い選手が多いチームには適した人材だ。
日本シリーズを戦った日本ハムと広島の両チームもセンターラインがしっかり固まっており、今季は改めて同ポジションの重要性を示すシーズンでもあった。
ラミレス体制1年目は単にCS初進出を果たしただけではなく、チームとしてのベース作りに成功した。来季以降も競争を煽りながらセンターラインの成熟度を高め、Aクラス常連のチーム作りを目指す。