リリーフ起用はあり!?
大谷翔平がメジャー挑戦を正式に表明した11月11日から2週間以上がたった。早ければ日本時間来月2日にも、日本ハムによってポスティングが申請される。それを前に、大谷の代理人がメジャー全球団に“質問状”を送ったという。
質問状では、主に大谷をどのように起用するかなど各球団の考えを尋ねている。投手一本なのか、二刀流なのか、二刀流で起用する場合、どのような起用法になるのか。大谷が納得するアイデアを持つ球団は果たしてあるのだろうか。
筆者は、大谷の1年目はリリーバーとしての起用が理にかなっていると考える。大谷は、今季投手として一軍で25回1/3しか投げておらず、どの球団も23歳の大谷に1年目から多くのイニングを投げさせたくないのが本音だろう。先発投手として起用する場合、多くても2015年に大谷が投げた160イニング程度に制限するだろう。そうなると、年間登板数は25試合程度になってしまう。
しかしリリーフとして起用すれば、イニング数を60~70程度に抑えることができる。また「3連投は避ける」など調整もしやすい。そして、何よりリリーバーとして、1イニング限定の方が大谷の160キロを超えるストレートも生きるはずだ。
また、リリーフとして起用した方が打者としてもより多くの打席に立つことができるだろう。指名打者(DH)制の無いナ・リーグでも交流戦20試合はDHとして、それ以外の142試合は代打もしくは投手起用からそのまま打席に立たせることで、シーズン200打席以上は確保できる。ナ・リーグなら守備に就かせるという選択肢もあるが、ケガのリスクを考えると、DHもしくは代打起用が無難だ。
また、ア・リーグの球団であれば、指名打者として出場しつつ、試合終盤にDHを解除してマウンドに立つこともできる。ただ、ア・リーグの場合、すでに優秀な指名打者を保有している球団もあるため、この起用法ができる球団は限られるだろう。
将来的にはもちろん先発投手として活躍するだけの素質を備えているが、まず1年目はリリーバーとしてメジャーのマウンドに慣れさせるのも一案だ。リリーフ兼代打起用の場合、投手として10勝、10セーブ、20ホールド。打者として、10本塁打あたりなら十分狙えるのではないだろうか。
大谷なら、同点の9回表に登板し、三者三振。その裏は自らのバットでサヨナラ打を放ち、勝ち投手に……。そんな漫画のようなストーリーを実現してくれるだろう。
文=八木遊(やぎ・ゆう)