予想を裏切ってみせた1カ月
現地時間9日(日本時間10日)、敵地で行われたロッキーズ戦に代打で出場した大谷翔平。追い込まれながらも見事な対応力を見せ、センター前へと痛烈に弾き返す安打を放った。
メジャー初の代打安打で、打率も.344に上昇。ホームに戻る現地10日のツインズ戦からは、再び指名打者でのスタメン起用が濃厚。第3戦では先発登板も予定されており、ここまでは“二刀流”を順調に突き進んでいる。
オープン戦での不振から一転、ここまで投打に渡って強烈なインパクトを残し、開幕前の予想を遥かに上回る活躍を見せている大谷。実は、キャンプイン直前の2月中旬に書いた記事で『Steamer Projections(スチーマープロジェクション)』という10年ほど前に編み出された比較的新しい予測システムを紹介したのだが、同システムが3か月前に予測していた大谷の今季成績は以下の通りだった。
【スチーマープロジェクション・2018年成績予測】※2018年2月時点
▼ 大谷翔平
[投手] 24試合 10勝7敗、防御率3.56
[打者] 57試合 打率.261 本塁打9 打点27
当時の記事でも触れたが、大谷の1年目は「10勝&10本塁打」には僅かに届かないと予測されていた。
あれからちょうど3か月…。不振のオープン戦、そして衝撃の開幕1か月を経て、大谷の今季成績はどれだけ“修正”されているのか。現時点での最新の予測値を見てみよう。
【スチーマープロジェクション・2018年成績予測】※2018年5月9日現在
▼ 大谷翔平
[投手] 23試合 10勝6敗 防御率3.63
[打者] 85試合 打率.286 本塁打15 打点49
“投手・大谷”の成績は3か月前とほぼ変わらない数字が並んでいる。
足首の故障などもあり、開幕からの約6週間で登板はまだ5試合。今後も投手として週に1度の起用は変わらないだろう。残りシーズンをトラブルなく過ごすことができれば、さらに20~21試合の先発は可能だ。最終的には12~13勝も不可能ではないだろう。また、現在の防御率は4.10だが、この数字は3.63まで改善すると予測されている。
続いて“打者・大谷”はどうか。こちらは開幕前の予測を大きく上回る数字が並んでいる。
打率は2分5厘、本塁打数はプラス6本、そして打点はほぼ倍増と、その数字は大きく跳ね上がっている。ただし、打率に関しては現在の.344から最終的には.286まで下がるであろうと予測されている。
結果的に「10勝&10本塁打」に届かないと見られていたところから、わずか3カ月で良い意味で期待を大きく裏切りそうな予測へと変わった。ファン目線も込みでの1年目の“着地点”としては、「12勝&打率3割&15本塁打」あたりとなるだろうか。
シーズンは残り約5カ月という長丁場。大谷には、日々更新されるこの予測システムの“斜め上”を行く活躍に期待したい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)