夏の甲子園の出場校が決定
夏の風物詩とも言える、「夏の甲子園」こと全国高等学校野球選手権大会の開幕がもう目前にまで迫ってきた。高校球児たちの夢の舞台であり、高校スポーツのなかでもダントツの知名度を誇るこの大会も、今年で記念すべき100回目を迎えることとなる。
これまで毎年のように甲子園の舞台でスターが生まれ、プロの世界に入った選手たちは野球史に名を刻んできた。ゆえに、甲子園のスターたちのプロ入りは必然的に注目される。ましてや昨年は、大会本塁打数の新記録を更新するなど、打撃力のある選手が目立ったのだからなおさらだ。
ということで、昨年の夏の甲子園大会に出場して、そのままプロ入りした選手たちの今季成績を調べてみた。
一軍デビューは2名
昨年の夏の甲子園大会に出場し、秋にドラフト指名を受けた選手は11人。それらの成績(※数字はすべて7月29日終了時点。三軍戦は教育リーグ、練習試合を含む)を見てみよう。
<中日>
▼ 清水達也(投 手/花咲徳栄高 ⇒ 4位)
一軍: 2試合 0勝0敗 防御率9.00
二軍:14試合 1勝3敗 防御率6.18
▼ 伊藤康祐(外野手/中京大中京高 ⇒ 5位)
二軍:65試合 打率.204(181-37)2本 13点 3盗
<DeNA>
▼ 阪口皓亮(投 手/北海高 ⇒ 3位)
二軍:11試合 2勝6敗 防御率5.90
<ソフトバンク>
▼ 田浦文丸(投 手/秀岳館高 ⇒ 5位)
二軍:1試合 0勝0敗 防御率0.00
三軍:7試合 0勝0敗 防御率3.38
▼ 増田 珠(外野手/横浜高 ⇒ 3位)
三軍:33試合 打率.284(95-27)1本 8点 3盗
<広島>
▼ 中村奨成(捕 手/広陵高 ⇒ 1位)
二軍:60試合 打率.217(152-33)3本 10点 5盗
▼ 永井敦士(外野手/二松学舎大付高 ⇒ 4位)
二軍:32試合 打率.169(77打数13安打)2本塁打 5打点 1盗塁
<西武>
▼ 西川愛也(内野手/花咲徳栄高 ⇒ 2位)
二軍:51試合 打率.273(143-39)0本 7点 6盗
<楽天>
▼ 西巻賢二(内野手/仙台育英高 ⇒ 6位)
一軍: 2試合 打率.000(0-0)0本 0点 0盗
二軍:78試合 打率.244(283-69)5本 31点 6盗
<巨人>
▼ 比嘉賢伸(内野手/盛岡大付高 ⇒ 育成1位)
三軍:20試合 打率.152(33-5)0本 2点 1盗
<オリックス>
▼ 西浦颯大(外野手/明徳義塾高 ⇒ 6位)
二軍:26試合 打率.188(69-13)0本 6点 4盗
11人中、一軍デビューを果たしたのは清水達也と西巻賢二。意外にもドラフトでは下位指名だったふたりが同期生よりも早い一軍デビューを果たした一方で、上位指名組の中村奨成、西川愛也らは二軍でじっくりと経験を積んでいる。ともに出場試合数も多く、西川に至っては自身の武器である俊足を生かしたプレーでまずまずの成績を残しているのも見逃せない。このままの状態をキープできれば、シーズン終盤に一軍昇格の可能性もあるかもしれない。
甲子園まであと6日――。新たなスター選手の誕生を楽しみに待つとともに、昨年の主役となった選手たちのプロでの成長にも注目していきたい。
文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)