ハマスタ開幕の巨人戦でデビュー
3月29日(火)、横浜スタジアムで行われたDeNA-巨人の一戦。DeNAの本拠地開幕を託されたのは、ドラフト1位の大卒ルーキー・今永昇太だった。
7回まで投げて要した球数は104。被安打5も、うち3本が本塁打で4失点。2つの四球を与え、奪った三振は9つ。結果的には黒星がついた初登板となるも、その内容を前向きに評価する声が多く挙がる。
ラミレス新監督も試合後、今永について「粘り強い投球だった。次につながる投球だったと思う」と評価。「外国人選手相手のミスは失点に直結してしまう。(今永にとって)良い勉強になったと思う」と語っている。
各球団が“左の先発”という問題に頭を悩ませているが、DeNAは特にそれが顕著。最後に左投手で規定投球回を達成した投手というと、2005年の土肥義弘までさかのぼる。そんな中で現れた今永には、球団としてかける期待が大きくなるのも当然だ。
近年苦しむ「大卒ドラ1左腕」…今永は悪い流れを断ち切るか
先発左腕不足が球界としても課題となっているだけに、秋のドラフト会議でも高い評価で扱われる左投手。しかし、大きな期待を受けて入団してきた投手たちほど、プロで壁にぶつかるというケースが何度となく見られている。
特に“大卒”の投手にその傾向が強く、ここ10年で12人もの「大卒ドラ1左腕」が誕生しながらも、期待に見合った活躍をしていると言えるのはごくわずか。直近10年間のドラフト1位(もしくは希望枠)で入団した大卒左腕投手たちは以下の通り。
【近年の大卒ドラ1左腕】
2014年 山崎福也(明治大→オリックス)
2013年 岩貞祐太(横浜商科大→阪神)
2012年 松葉貴大(大阪体育大→オリックス)
2011年 藤岡貴裕(東洋大→ロッテ)
2010年 大野雄大(佛教大→中日)
2010年 塩見貴洋(八戸大→楽天)
2009年 古川秀一(日本文理大→オリックス)
2007年 加藤幹典(慶応大→ヤクルト)
2007年 篠田純平(日本大→広島)
2007年 長谷部康平(愛知工業大→楽天)
2006点 金刃憲人(立命館大→巨人)※希望枠
2006年 宮本賢(早稲田→日本ハム)※希望枠
こうして見ると、チームを支える柱になったのは2010年のドラフト1位で中日に入団した大野くらい。多くの投手がプロ入り後に壁にぶち当たってしまっているのだ。今永はこの悪い流れを断ち切ることができるのか、今後注目して見ていきたいポイントとなる。
「9回まで応援してくれるファンの方に、勝利を届けられず申し訳ない」と今永。それでも、「次につなげることが大事」とすぐに気持ちを切り替え、前を向いた。
まずはプロ初勝利へ。今永の次回登板に期待したい。