新監督たちそれぞれの船出
3月25日(金)に開幕したプロ野球も、2カード目の最初のゲームが終わった。各チームがそれぞれの船出を終えたところであるが、中でも気になるのは新監督を迎えたチームだ。
今シーズン、新たな指揮官を迎えて戦いに挑むのはセ・パあわせて5球団。パ・リーグでは、オリックスの福良淳一新監督は昨年途中に“代行”としてチームを率いた経験があるものの、開幕前のキャンプから先頭に立って指揮するのは初めて。楽天は経験豊富な梨田昌孝新監督を招へいし、再建を図る。
セ・リーグでは、巨人・高橋由伸、阪神・金本知憲、DeNAがアレックス・ラミレスといずれも40代の若き新監督が誕生。開幕前のキャンプで選手よりも監督に注目が集まるということも少なくなかった。
この5人の新監督が開幕4戦をどう戦ったのか。目指すスタイルはどのようなものなのか。ここまでの“選手起用”を振り返り、新監督の特徴を見ていきたい。
▼ オリックス・福良淳一新監督(※昨年途中から代行の経験アリ)
【6位:1勝3敗】
・スタメン:3通り
・起用選手:28人(投手12/野手16)
・代打起用:2回(成功1回)
福良監督で特徴的なのは、代打起用の少なさ。2回というのはリーグで最も少ない数字となっている。スタメンでは、小谷野の起用法が気になるところ。これまでの4戦中3つが左の先発との対戦となった中、対左は小谷野を2番に置き、唯一右の先発との対戦になった26日(土)の西武線(先発・十亀)では、西野を2番で起用。T-岡田を一塁に回し、左翼に小田を入れた。これからも先発の左右別でスタメンを変えてくるのか、福良オリックスの注目ポイントになりそうだ。
▼ 楽天・梨田昌孝新監督
【4位:1勝2敗1分】
・スタメン:1通り
・起用選手:28人(投手11/野手17)
・代打起用:3回(成功0回)
梨田監督は不動のオーダー。開幕から4戦連続で同じスタメンを組んだのは12球団で見ても楽天が唯一で、しっかりと形を固定して戦っているが、チーム打率はリーグ最低の.199と打線は苦しんでいる。代打起用は3回とこちらも少なめで、いずれも不発に終わっており、この状況をどう打開してくるかがポイントとなる。
▼ 巨人・高橋由伸新監督
【1位:4勝0敗】
・スタメン:3通り
・起用人数:24人(投手9/野手15)
・代打起用:3回(成功0) ※リーグ最少
唯一の全勝スタートとなった巨人。スタメンは3通りとなっているものの、亀井の負傷による影響が大きく、その「6番・左翼」以外の部分は不動となっている。投手が打席に入るため、代打起用は必然的に多くなるセ・リーグであるが、先発投手がいい働きをしていることもあって代打は最少の3回となっている。
▼ 阪神・金本知憲新監督
【2位:3勝1敗】
・スタメン:2通り(捕手だけ)
・起用人数:28人(投手11/野手17)
・代打起用:5回(成功0)
“超変革”を掲げる金本新監督も、オーダーはスタメンマスクが岡崎か、梅野かの部分で2通りとなったのみ。それ以外は不動のオーダーとなっている。代打起用もセでは巨人に次いで少ない5回。こちらも先発投手が仕事をしているという部分が大きいが、今後勝負どころで見せる動きから目が離せない。
▼ DeNA・ラミレス新監督
【5位:1勝3敗】
・スタメン:2通り
・起用人数:25人(投手10/野手15)
・代打起用:12回(成功5回)
明るく楽しい野球を目指すラミレス新監督。目を引くのはなんと言っても代打起用の多さだろう。12回はリーグトップでありながら、5回成功で成功率は.417と抜群。特に2年目の山下が3連続で代打安打を放っており、意外な切り札となっている。スタメンはホーム開幕の巨人戦で初めて変更。29日の試合後には「違った並びも考える」とさらなる組み換えも示唆しており、きょうのラインナップに注目だ。