出遅れたDeNA、リリーフ再建で流れは変わるか...
開幕からひと月あまりが経過したプロ野球。セ・リーグの順位表を見てみると、今年もめまぐるしく順位が入れ替わる昨年のような混戦模様となっているが、DeNAがやや出遅れた。
現在5位・ヤクルトとの差は3.5ゲーム。3日からの直接対決・3連戦で勝ち越したために差は詰まったが、このカードが始まる前までは勝率が3割を切りそうな状態にまで陥っていた。
チーム打率.229は12球団ワースト。得点99は12球団で唯一の2ケタ台に留まるなど、打線に元気がない。個人成績で見ても、規定到達の打率3割は倉本寿彦(.303)ただ一人。主砲・筒香嘉智も負傷で離脱を強いられるなど、かなり厳しい状況にある。
そんな中で勝ち星を拾っていくには、投手陣が一丸となってリードを守るしか方法はない。カギを握るのが、リリーフ陣だ。
奮闘続ける先発陣の中で...
派手な打線も投手陣が弱い、というのがDeNA(横浜)暗黒時代のイメージであるが、近年は投手陣が踏ん張りを見せている。
特に先発陣は強固。ここまで33試合を消化したうち、先発が5回持たずにマウンドを降りたことは一度もない。開幕からこの記録(?)を守り続けているのは、セ・リーグはおろか12球団で見てもDeNAだけなのだ。
先発・救援別の成績で見ても、DeNAの先発防御率は巨人(2.83)に次ぐ2位の3.16。先発投手たちの安定したはたらきが光っている。そこでより重要になってくるのが、後を受けるリリーフ陣というわけである。
救援防御率4.03はリーグで2番目に悪い数字で、6敗はリーグ最多。やはりここが弱点であることに違いないが、それでも、現在の数字は改善に向かっている最中なのだ。
いよいよ陣容は整った...?
開幕直後はリリーフ陣が試合を壊す場面が多々見られたDeNA。チームはそんな状況を見て、打線よりも先にまず中継ぎ問題の解消に着手する。
日本ハムから金銭トレードで藤岡好明を獲得し、さらに昨年まで広島でプレーしていたマイク・ザガースキーも獲得。左右それぞれ1枚ずつのリリーフ補強を行い、不安な状況を整備した。
2人の加入によってチームの状況が劇的に変化したかと言われるとそうとは言い切れないかもしれないが、ここに来て田中健二朗、須田幸太、三上朋也、山崎康晃とタレントは揃いつつある。
4日のヤクルト戦は須田、三上と繋いで途中に左腕の田中を挟み、山崎康が締める。5日も須田、三上で繋ぎ、最後を山崎康が締めて逃げ切り勝ち。新方程式がチームを連勝に導いた。
打線は関根大気や乙坂智、桑原将志といった若手が1・2番に入り、そこへ3番の梶谷隆幸が復帰したことで新たな風が吹きつつある。あとは強みである先発陣が試合を作り、バトンを受けるリリーフ陣がリードを守り切る。勝利への道筋が徐々に見えてきた。
まだ開幕から1カ月。DeNA逆襲のカギはリリーフ陣が握る!