見事に台頭した2人の若き左腕
DeNAの快進撃が止まらない。
28日の広島戦に勝利したチームは、5月3日の時点で最大「11」あった借金をわずか20試合で完済。シーズン51試合目にして24勝24敗3分の勝率5割に復帰した。
この日の先発はドラフト1位左腕の今永昇太。キレ味抜群の速球を武器に、強力・広島打線を7回途中まで1失点に抑える好投。途中降板後のピンチも須田幸太がきっちり抑えて切り抜けると、三上朋也から山崎康晃と繋いでリードを守り抜き、3-1で勝利。今永は自身4連勝で、個人としても4勝4敗の勝率5割に復帰となった。
これでおもしろくなったのが、月間MVPをめぐる争い。セ・リーグの投手部門では、同僚の石田健大が今月4戦4勝をマークして“当確”の声も挙がっていたのだが、ここに来て今永も見事に4戦4勝を達成。DeNAの快進撃を支えた若き2人の左腕が、タイトルをかけて争うことになった。
4試合で自責1…驚異の防御率を残した石田
2年目にしてその才能を開花させたのが石田健大。今シーズンここまで5勝1敗、防御率2.51と4つの貯金を作っている。
特に5月に入ってからの投球は“圧巻”の一言。4戦全勝なのは前述の通りであるが、さらに5月3日のヤクルト戦から5月25日の中日戦の6回まで26イニング連続で無失点を記録。自らの暴投によりその記録はストップしたが、今月は27回を投げて失点・自責点はその1点のみだった。
防御率は0.33という驚異的な数字。打たれた安打17に対して奪った三振は24個で、与四球も4つのみ。これだけの成績を残していれば、やはり月間MVPに最も近いところにいると言って問題ないだろう。
快投見せたドラ1ルーキーも今月は相手が悪いか...
3・4月終了時点では0勝4敗。好投を見せながらも援護なく、プロ初勝利がとてつもなく遠かった今永。
それでも、5月6日の広島戦でついに勝利を挙げると、そこから阪神、ヤクルト、広島と4連勝。一気に自身の勝ち負けも4勝4敗のタイに戻した。
シーズン通算の防御率1.66は、昨日熱投を繰り広げた巨人の菅野智之と阪神・岩貞祐太に次ぐリーグ3位。奪三振67も2人を追う3位につけており、ルーキーイヤーの序盤からセの投手成績各所で上位に名前を載せているのは立派としか言いようが無い。
ただし、「月間MVP争い」という点で見ると、今回は相手が悪かったか。メジャーの「月間最優秀新人」のような“ルーキー部門”があれば当確で間違いないのだが…。初のタイトルは今後にお預けとなりそうだ。
チームの快進撃を支えた若き2人の左腕による競争。この切磋琢磨は、DeNAを更なる高みへと導いていくことだろう。
【2人の月間成績】※5月28日時点
▼ 石田健大
4試合(27回) 4勝0敗 奪三振24 防御率0.33
被安打17 被本塁打0 与四球4 与死球0 失点1(自責1)
▼ 今永昇太
4試合(26回2/3) 4勝0敗 奪三振24 防御率0.68
被安打18 被本塁打0 与四球10 与死球0 失点3(自責2)