孤独な戦いが続くエース
エースの力投に報えない打線が情けない…。
5月27日に東京ドームで行われた巨人-阪神の“伝統の一戦”。5連敗中のチームを救うべくマウンドに登ったエースの菅野智之であったが、7回無失点の力投も味方の援護なく0-1で敗戦。連敗は6に伸び、菅野には今シーズン初の黒星がついた。
ここまで10試合・81回を投げて防御率は0.56という驚異的な数字なのにも関わらず、勝ち負けを見ると4勝1敗。それも、昨日の負けに関しては味方の失策によって失った1点が原因。援護がもらえないだけでなく、守備でも足を引っ張られたエースは孤独だった。
チームを“負かさない”ことこそエースの使命
特にここ3試合は“無援護病”が顕著。5月13日のヤクルト戦では、わずか1点の援護を守りながら9回のマウンドに登るも、味方の失策絡みで失点。延長戦の末にチームは勝利を収めたものの、力投の菅野に勝ちはつかなかった。
さらに5月20日の中日戦も、8回まで無失点という快投を見せながら、味方打線も10回までゼロ行進。延長11回に挙げた2点で辛くも勝利を収めたが、やはり菅野には勝ちがつかなかった。
今シーズンは全10試合で最低でも7回を投げ、失点・自責点は3がワースト。10試合中8試合は自責点0という驚異的な成績ながら、ここまで4勝1敗。やはり“異常”である。
ただし、菅野には負けずに投げ続けてほしい。いくら打線が点を取ってくれなくても、勝ち星は伸ばすことができなくても、菅野が無失点で抑えている限りチームが負けることはないのだ。
事実、菅野が登板した日の巨人はここまで7勝1敗2分。昨日の阪神戦が初めての敗戦だった。チームを勝利へ導くことこそ、エースの最大の使命。菅野はそれを全うしている。
苦しい戦いが続くチームの中、いつか報われる日を信じて…。エース・菅野智之の戦いはつづく。