カービー・イエーツ(写真=GettyImages)

 12日深夜に来日したカブスに続き13日午後にはドジャースも羽田空港に到着。いよいよ『MLB東京シリーズ2025』が迫ってきた。

 今回の東京シリーズにはドジャースの大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希に加えて、カブスの鈴木誠也、今永昇太と5人もの日本人選手が勢ぞろい。凱旋試合での活躍に期待がかかる。

 一方で、日本人以外のメジャーリーガーもしっかり目に焼き付けておきたいところだ。前回のカブス編では中堅手のピート・クロウ=アームストロングと左腕のジャスティン・スティールを紹介したが、今回はドジャースから特に注目すべき2人の名前を挙げたい。

 1人目は大谷の直後の2番を打つムーキー・ベッツだ。言わずと知れたメジャーを代表する選手の一人で、レッドソックス時代を含めてこれまで3度の世界一を経験している。

 オープン戦は、打率.240、1本塁打、3打点と調子が上がらなかったうえに、体調不良のため来日直前の2試合を欠場。状態面にやや不安を残すが、予定通りの便で来日しており、本番までにはしっかり体調も整えてくるだろう。

 32歳となり、年齢的には中堅からベテランの域に入ろうとしているが、175cm、82kgの小さな体に秘められたパワーとスピードはまさに一線級のそれ。大谷と形成するメジャー最高の「ワンツーパンチ」が東京でも見られる可能性が高い。大谷の直後だからと目を離さないように気をつけたい。

 注目すべき2人目のドジャース選手は、オフに新たに加入したカービー・イエーツだ。

 今月25日に38歳の誕生日を迎えるベテラン右腕で、2014年のメジャーデビュー以降、リリーフのみで422試合に登板。パドレス時代の19年に41セーブを挙げてナ・リーグのセーブ王に輝いた実績もある。

 トミー・ジョン手術を受けた21年前後は成績を落としていたが、昨季は33セーブ、防御率1.17と完全復活。開幕シリーズでもセーブが付く状況でマウンドに上がる可能性もありそうだ。

 ただ、イエーツ自身は東京ドームにあまりいい思い出が残っていないかもしれない。

 実はパドレス時代の18年にイエーツは日米野球のMLB選抜の一員として来日している。

 その年はパドレスで主にセットアッパーを務めていたイエーツだが、日米野球では守護神を任された。ところが、侍ジャパンとの第1戦で2点をリードした9回裏のマウンド上がると、打者3人に対して2つのアウトを奪うも、會澤翼にタイムリーを打たれ1点差。そして、その直後に柳田悠岐に逆転サヨナラ2ランを浴びて敗戦投手となった。

 さらに2度目の登板となった第4戦は8回途中からマウンドに上がると、9回に制球を乱して4失点。シリーズ2敗目を喫した。2日後の3度目の登板は1回を無失点で切り抜けたが、登板の機会があれば、7年越しの悪夢を振り払っておきたいところだろう。

 いずれにしてもドジャース、カブスともに好選手がそろったのは疑いようのない事実。2019年以来、6年ぶりとなる日本でのメジャーリーグ公式戦をしっかり目に焼き付けておきたい。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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八木遊

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