3年連続の世界一を狙うドジャースが、リーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけた。
現地10月6日(日本時間7日)、敵地で行われたブレーブスとの地区シリーズ(NLDS)第3戦に3-1で勝利。シリーズ成績を2勝1敗とした。
ただ、ここまでの3試合には異様な数字が残っている。ドジャースは得点圏で13打数無安打。それでも勝ち越している理由は、本塁打で得点を積み上げ、投手陣がブレーブスの好機を封じているからだ。
ドジャースが3試合で挙げた10点は、すべて本塁打によるもの。第1戦ではテオスカー・ヘルナンデスとカイル・タッカーがそれぞれ2ラン、マックス・マンシーがソロを放ち合計5点を奪った。
第2戦はフレディ・フリーマンとマンシーのソロ、第3戦もキケ・ヘルナンデスの2ランとフリーマンのソロでスコアボードを動かした。
計7本塁打の内訳はソロ4本、2ラン3本。しかも3本の2ランはいずれも走者一塁で飛び出している。好機をつくってから「あと一本」を待つのではなく、走者を二塁へ進める前に、一振りで得点に変えているのだ。
そして、もう一つ見逃せないのがドジャース投手陣の奮闘である。
実はブレーブス打線も好機であと一本が出ていない。3試合の得点圏成績は16打数1安打とドジャース投手陣が粘りを発揮している。
両軍を合わせると、なんと29打数1安打で、得点圏時の打率はわずか.034だ。それでも3試合の合計スコアはドジャース10-7ブレーブス。両軍合わせて17点が入っている。
ちなみにブレーブスの7点は、第1戦がソロと2ランによる3点。第2戦ではマウリシオ・デュボンの適時内野安打で1点を挙げたほか、一塁走者が二塁打で一気に生還し、三塁打を放った打者も暴投でホームへ。第3戦も満塁からの内野ゴロで1点をもぎ取っている。
つまり、両軍の17点のうち、得点圏に走者を置いて安打で還したのは、デュボンの適時内野安打による1点だけということだ。得点圏打率だけ眺めていれば、とても計17点が入ったシリーズには見えない。
もっとも、ドジャースサイドからすれば「13打数0安打」を手放しで喜べるはずもない。ここまでは7本のアーチがその弱点を補っているが、今後、本塁打が止まったときに別の形で走者を還せるかという課題は残る。
野球では「得点圏であと一本」が勝敗を分けたと語られることも多い。ところが今シリーズのドジャースは、その一本がないまま王手まで来た。打線は一振りで得点圏を飛び越え、投手陣は相手の一本を許さない。少々いびつでも、これが今のドジャースの勝ち方である。
第4戦で待望の適時打は生まれるのか。それとも、また一振りで得点圏を飛び越えてしまうのか。「13打数0安打」の数字を頭に入れて見ると、次の1点の重みも少し違って見えるかもしれない。
文=八木遊(やぎ・ゆう)