「勝利の方程式」ー。
1993年と1994年の巨人において、試合終盤の勝ちパターンとして起用された橋本清ー石毛博史の継投を、当時の巨人を率いていた長嶋茂雄監督が、そう名付けたことから広まった。
試合開始前にコールされて大歓声を受ける先発投手や、緊迫した最終回に試合を締めて勝利の瞬間をマウンドで迎える守護神に比べ、比較的地味な存在といえる「中継ぎ投手」という存在。
そして中継ぎ投手は、プロ野球のシーズンにおいて勝利の方程式を作り上げる上で、最も登板頻度が高くなる最も過酷な「ポジション」でもある。
投手としての評価は多くの場合、勝利数や防御率、ホールド数、セーブなど、いかに勝利という結果に貢献できたのかということが1つの基準になる。しかし、野球というスポーツの中心がマウンドであると考えるなら、その「登板数」は、先に述べた投手の個人タイトルに負けず劣らず評価されるべきだろう。
その点では現在、入団4年目から築き上げてきた8年連続60試合以上の登板という自身の記録を更新し続けている巨人の山口鉄也が突出している。07年にデビューした山口は、32試合に登板し、巨人の4年ぶりとなる優勝に貢献した。
翌年08年は登板数を67に伸ばし、以降途切れることなく、8年連続の記録を打ち立てた。山口がデビューした07年以降の9年間で、巨人は6回のリーグ優勝を遂げている。そしてその9年間、チーム防御率は、リーグ1位が4回、2位が4回、3位が1回と、高い投手力がチーム再建とチームの躍進の原動力になっており、その中心には、マウンドに立ち続ける山口鉄也の姿があった。
そんな山口だが、以外にも1シーズンの登板数は、それほど多くない。最も登板数が多かった09年、10年の「73」という数字も、歴代1位の久保田智之(元阪神)の「90」という数字を前にするとかすんでしまう。
それでも60試合登板したシーズンの数で言うと、シーズン記録歴代1位(90試合)の久保田が4回、登板数「80」で歴代2位の藤川球児(阪神)が4回、「79」で歴代3位タイの浅尾拓也(中日)が3回、久保裕也(現DeNA、当時は巨人)が3回。そう考えると、山口の持つ記録の凄さが際立ってくる。
今季はここまで、18試合に登板し、0勝2敗9ホールド、防御率4.41という成績。決して満足できる数字ではないが、チームへの貢献の仕方を理解する山口なら、きっと今年も多くの試合に登板し、チームの力になってくれるはずだ。そんな予感と期待を抱かずにはいられない。
1993年と1994年の巨人において、試合終盤の勝ちパターンとして起用された橋本清ー石毛博史の継投を、当時の巨人を率いていた長嶋茂雄監督が、そう名付けたことから広まった。
試合開始前にコールされて大歓声を受ける先発投手や、緊迫した最終回に試合を締めて勝利の瞬間をマウンドで迎える守護神に比べ、比較的地味な存在といえる「中継ぎ投手」という存在。
そして中継ぎ投手は、プロ野球のシーズンにおいて勝利の方程式を作り上げる上で、最も登板頻度が高くなる最も過酷な「ポジション」でもある。
投手としての評価は多くの場合、勝利数や防御率、ホールド数、セーブなど、いかに勝利という結果に貢献できたのかということが1つの基準になる。しかし、野球というスポーツの中心がマウンドであると考えるなら、その「登板数」は、先に述べた投手の個人タイトルに負けず劣らず評価されるべきだろう。
その点では現在、入団4年目から築き上げてきた8年連続60試合以上の登板という自身の記録を更新し続けている巨人の山口鉄也が突出している。07年にデビューした山口は、32試合に登板し、巨人の4年ぶりとなる優勝に貢献した。
翌年08年は登板数を67に伸ばし、以降途切れることなく、8年連続の記録を打ち立てた。山口がデビューした07年以降の9年間で、巨人は6回のリーグ優勝を遂げている。そしてその9年間、チーム防御率は、リーグ1位が4回、2位が4回、3位が1回と、高い投手力がチーム再建とチームの躍進の原動力になっており、その中心には、マウンドに立ち続ける山口鉄也の姿があった。
そんな山口だが、以外にも1シーズンの登板数は、それほど多くない。最も登板数が多かった09年、10年の「73」という数字も、歴代1位の久保田智之(元阪神)の「90」という数字を前にするとかすんでしまう。
それでも60試合登板したシーズンの数で言うと、シーズン記録歴代1位(90試合)の久保田が4回、登板数「80」で歴代2位の藤川球児(阪神)が4回、「79」で歴代3位タイの浅尾拓也(中日)が3回、久保裕也(現DeNA、当時は巨人)が3回。そう考えると、山口の持つ記録の凄さが際立ってくる。
今季はここまで、18試合に登板し、0勝2敗9ホールド、防御率4.41という成績。決して満足できる数字ではないが、チームへの貢献の仕方を理解する山口なら、きっと今年も多くの試合に登板し、チームの力になってくれるはずだ。そんな予感と期待を抱かずにはいられない。