コラム

気になる日米年俸格差 ただしマイナーでは…

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オリックスの金子千尋

16年はソフトバンクが年俸1位


 3712万円……。あなたの周囲にこれだけの額を稼いでいる人がどれだけいるだろうか。これは12球団のプロ野球選手の平均年俸(2016年、選手会に加入している支配下選手のみが対象)だ。

 日本人の平均年収が約440万円といわれており、“一般のサラリーマン”が10年近く働いてようやく得る額を平均的なプロ野球選手は、1年だけで稼ぎ出している。ちなみに、2017年の球界最高年俸は金子千尋(オリックス)、サファテ(ソフトバンク)、メヒア(西武)の5億円。このうちメヒアは出来高契約を結んでおり、活躍度によってその額が膨らむ可能性がある。

 球団単位で見ると、ソフトバンクが合計年俸40億円を超えており、1選手当たり6960万円で堂々の1位だった(2016年)。最も低かったDeNAが約2440万円とソフトバンクの約3分の1だが、それでも日本人の平均年収を大きく上回っている。


メジャーはケタ違いの額


 海の向こう、メジャーリーグではさらにケタが1つ違ってくる。2016年に最も稼いだクレイトン・カーショー(ドジャース)の年俸は約3450万ドル(約38億円)。カーショー1人だけでソフトバンクの全選手の合計年俸に匹敵する。カーショーは2016年にプレーオフを含めると2457球を投じ、14勝を挙げた。単純計算で1球当たり150万円、1勝当たり2億7000万円以上を稼ぎ出したことを意味しているのだ。

 メジャーではカーショー以外にもザック・グリンキー(ダイヤモンドバックス)とデビッド・プライス(レッドソックス)の2人が年俸3000万ドル(約33億円)以上、他にも30人以上が2000万ドル(約22億円)以上を稼いでいる。1選手当たりの平均も400万ドル(約4億4000万円)を超え、プロ野球(3712万円)の10倍以上に達する。

マイナーは厳しい現状…


 ただしメジャーリーグの枠に入れない、いわゆる“マイナー選手”の年俸は低く抑えられている。最も高給の3Aレベルですら月給にして2000ドル(約22万円)をやや上回る程度。しかもシーズン中の5~6か月間しか給料は保証されない。日本では考えられないような格差があることも知っておきたい。

 メジャーにたどり着き、数年間にわたって実績を残せば大金を手に入れることができるが、メジャーに定着できない選手であれば、苦しい生活を強いられるのだ。2014年には元マイナー選手34人がMLB事務局と30球団などを相手取り、最低賃金の保障などをめぐって訴訟も起こしている。

 日米問わず、プロ野球選手に憧れる若者は星の数ほどいるが、夢をつかめるのはほんの一握りという現実は変わらない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)
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