野球少年、野球少女のお父さん、お母さん、そして少年野球指導者の皆さんにとって役に立つ、勉強になる野球の本を紹介します。
今回紹介するのは、プロ野球界初のコンディショニングコーチであり、日本人初のメジャーリーグのコーチでもある立花龍司さんの「魔法のアドバイス」（竹書房）という一冊です。この本は「野球をよく知らないお母さんでも、子供にアドバイスしてあげられるような内容」になっており、大変読みやすく、分かりやすくなっています。一部を抜粋してご紹介します。

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野球に必要なのはパワーよりも技術

野球のような球技、さらに野球やゴルフのように道具を使ってプレーするスポーツは、総じて技術の要素が高いといえます。そしてその”技術”を伸ばすためには、頭で思い描いた通りに自分の身体を動かす能力（この能力ののことを”巧緻性”といいます）が必要です。

この巧緻性を高めるには、反射神経を含めた”神経系”を小学生のうちにしっかりと発達させておく必要があります。

巧緻性を高めるには、とにかくいろんなスポーツを経験させることが大切

スピーツ医学の世界では、10歳前後が「運動にかかわる”神経系”のもっとも発達する時期」とされており、これは医学用語「ゴールデンエイジ」と呼ばれています。
この時期、運動神経を発達させるためには、野球だけではなく、いろんなスポーツを経験することが大切です。
つまり、ゴールデンエイジに、いかに多くのスポーツを経験するか。それがその子の運動神経の形成に大きくかかわってくるのです。

アメリカでは春から夏は野球、夏から秋はバスケット、冬はアメリカンフットボールといった具合にそれぞれのスポーツを行う時期が異なっているので、三つ、四つのスポーツに取り組んでいる小学生もたくさんいます。
ただ、日本にはそのような文化、習慣はありませんから、野球もやってサッカーもやってバスケもやって、というわけにはなかなかいきません。

でも、基本的に10歳前後の時期にいろんなスポーツを経験させたほうがいいのは、化学的に立証されている事実ですから、何とか工夫していろんなスポーツをお子さんに経験させてあげてください（ロサンゼルス・ドジャースで活躍中の前田健太投手は小学生の時、野球の他にサッカーと水泳をやっていたそうですが、そのほかにも、複数の競技を同時にやっていたという一流のプロ野球選手は非常に多いです）。

土・日曜に野球の練習をしているなら、平日に水泳、体操などの他のスポーツをやらせてあげるといいのではないでしょうか。
ゴールデンエイジの時期に巧緻性を高めておけば、中学、高校になって高度な技術を求められるようになってからも、自分の実力をさらに伸ばすことが可能となります。

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