今年も苦しんだ交流戦
新生・ラミレスDeNAの交流戦が終わった。
セ界最強の投手力を武器に挑んだ苦手の舞台は、交流戦大得意のロッテを相手に3連勝を収めるなど見せ場を作ったものの、終盤に入ると一気に失速。最後は6連敗で交流戦を終えた。
最終的な成績は7勝11敗。借金を1まで減らして交流戦に突入したが、終わってみれば借金は5まで増えていた。またしても立ちはだかった“鬼門”――。それでも、見えた光明もある。
中でも大きいのが、ベテラン・久保康友に復活の兆しが見られたことだ。
交流戦勝利数は歴代4位タイ!
4月27日を最後に一軍のマウンドから遠ざかっていた男は、6月3日のロッテ戦で8回途中1失点と好投。古巣を相手に奮闘を見せ、約1カ月ぶりとなる一軍での勝利を飾る。すると、10日のオリックス戦でも8回途中まで投げて1失点。2連勝で苦しむチームを鼓舞した。
もともと交流戦にはめっぽう強かった久保。今年の2勝を加え、交流戦での通算の勝ち星は22勝。これは歴代4位に相当する。また、セ・パ両リーグで交流戦10勝以上を挙げたことになり、これは史上初のことになる。(※下記参照)
【交流戦・通算勝利数】
1位 26勝 杉内俊哉(巨人)
2位 24勝 和田 毅(ソフトバンク)
3位 23勝 涌井秀章(ロッテ)
4位 22勝 内海哲也(巨人)
4位 22勝 久保康友(DeNA)
しかし、そんな記録にも本人はまるで興味なし。至って普通に、淡々と、ひょうひょうとチームの為にボールを投げ続ける。
“夏男”の本領発揮に期待
交流戦では石田健大が0勝2敗で防御率4.24、井納翔一も0勝2敗で5.25、ルーキーの今永昇太も1勝1敗で防御率6.23というように、好調な5月を支えた自慢の投手陣に陰りが見られた。それだけに、ベテランの復帰は心強いことこの上ない。
大混戦のセ・リーグは、首位の広島が抜け出しかけて入るものの、どのチームも決め手に欠く印象は否めない状況。これからも団子状態が続いていくことが予想される中、経験豊富なベテラン右腕にかかる期待も大きくなる。
しかも、夏といえば久保の季節。DeNAに加入した2014年は7月以降だけで7勝を荒稼ぎ。ここ2年の7月以降の成績は10勝5敗と無類の強さを誇っている。
戻ってきたベテラン右腕は、リーグ戦再開後のDeNAを快進撃へと導けるか…。“夏男”久保康友が浮上のカギを握る。