計31イニングであげた得点は僅かに1点!
アレックス・ラミレス新監督の下、「今季こそクライマックスシリーズ進出!」と臨んだDeNAだが、開幕から苦しい戦いが続いている。4月24日現在、7勝15敗2分で首位の巨人から6.5ゲーム差離れた最下位に沈んでいる。
チーム打率がセ・リーグワーストの.223と打撃陣の不振が主な理由だが、延長戦に弱いことも気になる。
昨季の4月2日、広島戦の延長12回裏に梶谷隆幸がサヨナラ打を打って以降、同12日の中日戦から延長戦は2リーグ制後史上最長の13連敗中。延長12回引き分けも今季の4月7日の中日戦1試合しかない。13連敗のうち、ホームゲームで7敗、ビジターゲームで6敗である。
昨季の4月12日以降の延長戦での成績を見ると、とにかく打てていないことが見えてくる。計14試合31イニングで得点は僅かに1点。その1点は、今季の3月31日、巨人戦の10回裏に荒波翔の同点タイムリーであげた1点だけだ。
延長戦13連敗での打撃成績は100打数15安打、打率.150。三振は安打よりも多く21個を記録している。1イニングで2安打以上打ったのは31イニング中3回だけ。ノーヒットに終わったイニングは19回もある。
今季の代打成績はセ・リーグトップ!
延長で打った15安打のうち、長打は昨季の8月25日、中日戦の10回裏2アウトから筒香嘉智が放った二塁打1本。100打数で長打が1本では得点が入らないのも無理はない。
1点の重みがとくに増す延長戦では、先頭打者の出塁が大きなカギとなるが、31イニング中先頭打者が出塁したのは8回ある。出塁率で言えば.258と決して悪くない。ただ、先頭打者が出塁し、本塁に還ってきたのは前述の荒波がタイムリーを放った試合だけだ。
先頭打者が出塁した8回中5回で次の打者が送りバントを決めているが、その次の打者が放った安打は1本もない。チャンスをことごとくつぶしているのである。
1勝すれば延長戦における負の連鎖も止まるだろうが、打開策はあるのだろうか。今季、DeNAの代打成績は54打数18安打1本塁打、打率.333とセ・リーグトップを残している。22日の巨人戦で沢村拓一から代打同点本塁打を放った乙坂智は、今季の代打成績が5打数3安打。山下幸輝は代打で9打数5安打、打率.556。代打の切り札的存在の下園辰哉は11打数4安打、打率.364と高打率を残している。勝負どころで4番筒香ら主軸の一発が出ればいいが、惜しみなく代打攻勢を仕掛けるのもいいだろう。
チーム防御率はリーグ2位の3.13。リリーフ陣の防御率も3.65と悪くない。投手陣は踏ん張っているだけに、野手陣にはなんとかして意地を見せてほしい。
文=京都純典(みやこ・すみのり)