白崎、荒波の1、2番は極度の打撃不振
開幕前から課題に挙げられていた横浜DeNAの1、2番問題がここにきて再び表に出てきた。昨年も年間通してほぼ固定だったクリーンアップとは対照的に、石川雄洋や荒波翔のケガもあり、最後まで固定できずに終わった1、2番。さらに昨年11月に肘の手術を行った石川が開幕に間に合わないという事情もあり、どのようなオーダーになるのか開幕前から注目されていた。
そんな中、オープン戦で打率.347という好成績を残した白崎浩之と、昨シーズン後半1番に定着していた荒波のコンビで開幕を迎える。しかし、ここまでの打撃成績を見てみると、荒波は打率.213、出塁率288、白崎にいたっては、打率は.160で規定打席に達している選手の中ではほぼ最下位、出塁率も.208と、1,2番としてはなんとも物足りない結果となっている。
打率.3割台後半、出塁率4割をキープするヤクルト川端慎吾までとはいかないまでも、筒香嘉智、ロペスの強打線を生かすためにも、せめて打率2割代後半、出塁率3割はいってほしいところだろう。
結局、ラミレス監督の期待を背負った白崎、荒波コンビは開幕から8試合で解消を余儀なくされる。白崎は、4月3日阪神戦で三塁のスタメンをプロ入り2年目の山下幸輝に奪われ、その後7日には再び1番でスタメン出場したが、石川の一軍復帰もあり、ここ数試合は打順を6番から7番に下げての出場となっている。一方、荒波も4月6日から桑原にセンタースタメンを奪われ、代打、守備での出場が増えてきた。
1番桑原、2番石川とオーダーも
1番桑原、2番石川という一新したオーダーで臨んだヤクルト戦では6試合ぶりの勝ち星をあげてから2連勝し、チームも5位に浮上するなど、開幕から波に乗れないチームの流れを変えた印象もあり、打順とポジション争いが再び激化しそうだ。
今月8日に復帰した石川は、ここ数年1番打者を任されているイメージがあるが、毎年シーズン中盤から調子を落とすことが多く、絶対的なものは感じない。しかし、期待は大きく、石川が打つことでチーム全体が乗っていく場面が多くみられるのも事実だ。
桑原はここまで規定打席の半分にも達してはいないが、打率.360、出塁率.429と、1番打者として十分な数字を残している。プロ入り3年目の2014年途中にブレークしたが、昨シーズンは打撃不振から代走と守備での出場がほとんどだったため、スタメン奪取への思いは強いはずだ。
白崎にとって三塁のライバルとなる山下も、スタメン出場時には結果を残せずに終わっているが、代打出場では勝負強いところも見せており、評価の高い守備力に打撃が加われば十分に勝負できる。
昨シーズン、チームの順位が最下位に沈む一方で、打撃成績はヤクルト、中日に次ぐ3位、得点は508点で2位、本塁打数は112本で1位となっている。しかし、今シーズンは開幕からチーム全体的に打撃不振に陥っており、チーム打率は断トツのリーグ最下位、打撃成績チームトップの筒香でさえ打率3割に届かないという状態だ。
筒香を中心としたクリーンアップの復活も待たれるところだが、最下位を脱出しさらにクライマックスシリーズ出場を目指すためには、打線のつながりからの得点力を最低でも昨年レベルまで上げていく必要があるだろう。
ラミレス監督の信頼を勝ち取り、マシンガン打線の火付け役となれる選手が出てくればチームの浮上も現実味を増してくる。