4番が課題のオリックス
ブレント・モレル、ブライアン・ボグセビック、トニ・ブランコ...。今季のオリックスには、4番候補として期待される助っ人が3人もいる。
「一発が欠けていたので、やっぱり一発が欲しい。4番は外国人で考えている」。昨年のオフ、メディアに対して2016シーズンの構想を口にしていた福良監督。
昨季の4番は中島宏之が最も多い69試合に出場し、次いでカラバイヨが38試合、T-岡田が35試合と、最後まで固定されることはなかった。
また、4番打者の本塁打数20本、打点74はいずれもリーグ4位と、相手に「恐れ」を抱かされるにはいささか不十分な数字となった。
復活に賭ける「浪速のゴジラ」
大型補強を敢行し、躍進が期待されながらもリーグ5位という不本意な成績で幕を閉じた昨シーズン。今年こそはその高いポテンシャルが発揮されることをファンならずとも期待して止まないが、そんな中、チーム躍進のカギを握る日本人スラッガーがいる。
2010年、22歳の若さで本塁打王を獲得した実績を持つ大砲・T-岡田だ。
プロ10年目というひとつの節目を迎えた昨年は、腰痛などで3度に渡る戦線離脱を余儀なくされた。結果、出場数は105試合にとどまり、本塁打は前年の24本から11本に減少。打点も51と本来の姿を披露するには至らず、多くのファンは今年こそ彼の復活を祈っている。
昨シーズン痛めた左アキレス腱の影響により、二軍スタートとなった春季キャンプ。中盤に一軍昇格を果たしたが、かつての大砲は主に「7番・左翼」を担う。
契約更新時には「全試合4番」を豪語し、「キャリアハイの35本塁打・100打点」と自分自身にタスクを課したT-岡田。強気の発言からは、日本男児らしく退路を断ち切り、背水の陣で勝負に臨む強い意志を感じさせる。
事実、オープン戦では周囲の期待に応えるように好調を維持した。3月上旬のオープン戦・ロッテ戦、巨人戦では、2戦連続のアーチを放ってチームの勝利に貢献。巨人戦後、福良監督はT-岡田に対し「ああいうことができるのだから、もっと自信を持ってやってくれたら」と期待を口にした。
かつての栄光や怪我、はたまた周囲の期待や若手の台頭など...。彼の立場を脅かし、本来の姿に影を落とさせるものは無数に存在する。
28歳を迎えた今シーズン。幾つもの葛藤を乗り越え、熟成された男の真価が問われるシーズンに期待したい。