【Buffaloes Inside】
オリックスの曽谷龍平投手が、初めての侍JAPANメンバーとして参加したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、自らの現在地を知り新たなスタートを切った。
「全然、足りないです。どれだけ無知だったのか。これを機に大きくなります」。曽谷が目を輝かせた。
曽谷は奈良県斑鳩町出身。明桜高(秋田)、白鷗大から2022年ドラフト1位でオリックスに入団。右打者の内角を突く鋭いスライダーを武器にする左腕で、2年目からローテーションを守り7勝、3年目には自己最多の8勝を挙げた。
WBCでの登板は、1次ラウンドの台湾戦。13‐0の7回から登板し捕邪飛、左飛、空振り三振でコールドゲームを締めた。その後、ブルペンで待機したものの登板機会はなく、1イニングで初めてのWBCを終えた。
しかし、得るものは大きかった。痛感したのは、データの活用方法などの知識の少なさだった。「『こういう数字は直した方がいいよ』『自分の特徴があるからこういう数字が出るんだよ』とダルさん(ダルビッシュ有投手、パドレス)に教えていただきました。データの見方が何もわかっていないことに気付かされました」と曽谷。さらに驚いたのは菊池雄星投手(エンゼルス)の練習量。「菊池さんはむちゃくちゃ練習をされていました。この人がこれだけ練習をするのなら、僕はもっとしなければいけないという気持ちになりました」と明かす。
曽谷は、宮城大弥投手と並び練習量の多い選手。「状態がいい時にこそ練習をする」と現状に満足せず、常に高みを目指してきた。オフには、セ・パ両リーグで実績のあるチームの先輩、九里亜蓮投手の自主トレに参加し、準備の大切さなどを学んできた。それでも、世界で戦う超一流選手との差を感じないわけにはいかなかった。
「菊池さんとの出会いはよかったです。僕の今後のステップアップ、レベルアップをする上で、大事な人と出会えました」。同じ左腕としても目指すべき存在になった。「もう、練習しかないです」。4月14日の西武戦で、今季初登板し初勝利を挙げた。宮城が左肘を痛め、長期離脱が避けられないだけに、意識高く1年を通してローテーションを守る決意だ。
取材・文=北野正樹