ソフトバンク・近藤健介 (C)Kyodo News

「今年は少し打てるようになったのではないか」

 今季のプロ野球では、春先からそんな見方もあった。昨季に比べて本塁打や大量得点の試合が目立ち、近年のNPBを覆っていた極端な投高打低が、ようやく和らいだようにも映った。

 実際、得点だけを見れば、その感覚は間違っていない。

 オールスター前最後の公式戦となった7月26日終了時点で、12球団の総得点は3986点。12球団の試合数を合計した延べ1110試合で割ると、1チーム1試合平均は3.59点となる。

 2025年の前半戦終了時点は3.07点だったため、今季は0.52点増。率にして約17%のアップだ。昨季の得点水準が異例の低さだったとはいえ、1試合当たり0.5得点以上の増加は無視できない変化である。

 その得点増の背景として考えられるのが、一部球団で目立った本塁打の多さだ。

 パ・リーグでは日本ハムが96試合で122本塁打、ソフトバンクも93試合で103本塁打を記録した。セ・リーグでも中日、阪神、DeNA、巨人の4球団が70本塁打を突破。昨季前半戦に比べ、少なくとも得点が入りやすい環境へ変化したことは数字にも表れている。

 ところが、打者個人の成績を見ると、まったく違った景色が浮かび上がる。

 規定打席到達者のうち、打率3割以上はセ・リーグの佐藤輝明、パ・リーグのレイエス、近藤健介の3人だけ。昨季前半戦も両リーグを合わせて4人しかいなかったが、今季はそこからさらに1人減った。

 昨季は前半戦終了時点でセ・リーグから3割打者が消え、パ・リーグの4人だけという異例の事態になった。今季は佐藤の存在によってセ・リーグの「3割打者ゼロ」こそ解消されたが、NPB全体で見れば、減少傾向に歯止めがかかったとは言い難い。

 一方、投手成績にも昨季との違いがはっきりと表れている。

 規定投球回到達者のうち、防御率1点台の投手は昨季前半戦の8人から、今季は3人へ減少した。リーグを代表する投手が軒並み1点台に並んだ昨季ほど、投手が一方的に打者を抑え込んでいるわけではない。

 つまり、今季は「投高打低」という言葉を、そのまま一つの現象として扱うと実態を見誤る。

 得点が増え、防御率1点台の投手が大幅に減った以上、極端な「投高」は確実に緩和された。しかし、その一方で3割打者は増えるどころか、昨季よりも減っている。「投高」が弱まったからといって、「打低」まで解消されたわけではないのだ。

 本塁打や長打が増えれば、安打数や打率が大きく上昇しなくても得点は伸びる。走者を置いた場面で一発が出れば、単打を積み重ねなくても複数得点を奪える。今季の数字から見えるのは、打者全体が満遍なく投手を攻略できるようになった姿というより、本塁打を多く記録する一部球団が、リーグ全体の得点増を押し上げている可能性だ。

 得点力は戻りつつある。だが、安定して安打を重ね、高い打率を維持できる打者は増えていない。

 防御率1点台の投手が8人から3人に減ったにもかかわらず、3割打者も4人から3人へ減少した。この一見矛盾する数字こそ、今季のNPBを読み解く鍵である。

「投高」は緩和された。それでも「打低」は続いている。前半戦の数字から見えるのは、投高打低から完全に脱した姿ではなく、得点の増え方だけが先に変わり始めたNPBの現在地なのだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【PR】北海道日本ハムファイターズを観戦するなら「DAZN Baseball」

DAZN BASEBALL

レイエス、万波、野村、清宮らが早くも2桁本塁打を放つなど、チーム本塁打は早くも100本を超える。課題の守備陣の安定、大きく負け越すソフトバンクの苦手意識払拭なくして、10年ぶりのリーグVは見えてこない。

「DAZN Baseball」は、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプラン(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できる。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】パ・リーグの全てを「パ・リーグTV」で遊び尽くす!

パ・リーグTV パ・リーグ見放題パック

パ・リーグ主催の全試合をライブ配信する「パ・リーグTV」。通常価格は月額1,595円(税込)ですが、各球団のファンクラブ会員なら月額1,045円(税込)とさらにお得なプランで利用可能だ。3試合同時視聴やマルチアングル機能、13年分のアーカイブなど、公式サービスならではの視聴体験が充実している

POINT

① パ・リーグ主催の全試合をライブ配信!交流戦も視聴可能!

3試合同時視聴マルチアングルなど、独自の高機能が充実!

③ 2012年以降のアーカイブも見放題。過去の名シーンを回想できる!

【PR】福岡ソフトバンクホークスを観戦するなら「DAZN Baseball」

DAZN BASEBALL

有原が退団、大関が不振、上沢も一時離脱、モイネロは前半戦1試合も登板がなしも、大津がエース級の働きを見せ、前田悠、松本晴が台頭。打線も栗原、近藤が軸として機能。リーグ連覇へ、大きな不安なく後半戦へ。

「DAZN Baseball」は、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプラン(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できる。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】パ・リーグの全てを「パ・リーグTV」で遊び尽くす!

パ・リーグTV パ・リーグ見放題パック

パ・リーグ主催の全試合をライブ配信する「パ・リーグTV」。通常価格は月額1,595円(税込)ですが、各球団のファンクラブ会員なら月額1,045円(税込)とさらにお得なプランで利用可能だ。3試合同時視聴やマルチアングル機能、13年分のアーカイブなど、公式サービスならではの視聴体験が充実している

POINT

① パ・リーグ主催の全試合をライブ配信!交流戦も視聴可能!

3試合同時視聴マルチアングルなど、独自の高機能が充実!

③ 2012年以降のアーカイブも見放題。過去の名シーンを回想できる!

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

八木遊 の記事をもっと見る

もっと読む