リーグで初めての「首位打者に輝いた遊撃手」
あっという間に10月に入り、セ・リーグはひと足早く全日程が終了。各個人タイトルも確定した。
打者にとって最高の栄誉と言っても過言ではない“首位打者”に輝いたのは、巨人の坂本勇人。若くして名門のショートを担ってきた天才打者が、10年目にしてもうワンランク上のステージに歩を進めた。
なお、遊撃手が首位打者に輝くのはプロ野球史上4度目のことであるが、これまでの3人は1954年のラリー・レインズ(阪急/.337)、1956年の豊田泰光(西鉄/.3251)、そして2010年の西岡剛(ロッテ/.346)といずれもパ・リーグの選手たち。
坂本の首位打者には「リーグ史上初の遊撃手による首位打者」という箔が付いた。
3000本への期待
ここで改めて今シーズンの坂本勇人の成績を振り返っておこう。
【2016年・坂本勇人】
137試合
打率.344(488-168) 二塁打8 三塁打3 本塁打23
打点75 塁打数271 盗塁13(失敗3) 犠打1 犠飛6
四球81 死球0 三振67 長打率.555 出塁率.433 OPS.988
自身4年ぶりとなる打率3割をクリアし、20発超えは実に6年ぶり。チームの打撃成績と重なるように苦しい打撃が続いたが、ここでひとつ殻を破ってみせた。
節目のプロ10年目に輝きを取り戻した巨人の看板選手。27歳にして通算安打は1402を数え、2000本どころか3000本の大台への期待も高まる。
巨人の目を醒ました天才から目が離せない。