ノムさん「スーパースター誕生」
日本ハムの大谷翔平は16日、クライマックスシリーズ(CS)ソフトバンクとのファイナルステージ第5戦に「3番・DH」で出場したが、3点リードの9回表に指名打者を解除しマウンドへ。第1戦に先発した大谷は中3日での登板となったが、自己最速を更新する165キロのストレートを計測すれば、変化球も151キロのフォークを投げるなど、ソフトバンク打線を圧倒。1イニングを無失点に抑え、4年ぶりの日本シリーズ進出に大きく貢献した。プロ野球解説者・選手たちは、この日の大谷の投球をどのように評価したのだろうか…。
5日に放送された『日本ハムvsソフトバンク戦』(NHK BS1)の野球解説を務めた和田一浩氏は「凄いですよね。今まで僕が対戦した投手の中ではナンバー1のピッチャー。まだまだ発展途上だと思うので、彼がこの先どこまでの選手になるか想像できないボールを投げている」と絶賛。昨季まで現役だった和田氏は、ダルビッシュ有、田中将大、前田健太といった現在メジャーでプレーする投手たちと対戦したが、大谷の球は彼らを上回っていると感じたようだ。
野村克也氏も同日に放送された『S☆1』(TBS系)で165キロを計測した大谷について「すごいね。プロ野球バンザーイ!スーパースター誕生」と喜び、「バッターボックスに立ってみたいね」と話した。普段は選手に対してボヤくことも多い野村氏だが、大谷に関しては高く評価している。
現役選手たちも凄いと評価
現役選手たちも大谷のスゴさについて語っている。『サンデースポーツ』(NHK)のマンスリーキャスターとして出演した松井稼頭央(楽天)は「想像を超えますね。(151キロのフォークも)見た事も聞いたこともない」とかつてメジャーの舞台で、米球界を代表する投手たちと対戦を繰り広げた経験豊富なベテランでも驚きを隠せない様子。
今季、日本球界では10年ぶりに打率3割を記録した福留孝介(阪神)は「大谷投手が出てきたことによって、ファンの盛り上がりが凄かった。それによって勝つという雰囲気づくり勢いをつけたかった。それが栗山監督の意図にあるように感じました」と分析していた。
江川氏は辛口コメント
一方で、江川卓氏は同日に放送された『Going!Sports&News』(日本テレビ系)で「凄いんですけど、私の中ではあまり驚きはない」と話す。その理由について江川氏は「165キロのストレートはファールにされている。(※吉村への初球の165キロは空振り)完成されたとはいえな。90%の完成度。ストレートが全くバットにかすらないという可能性が彼にはあるので、その後に初めて165キロでバットに当たらないということで完成だと思いますね」と解説した。
さらに江川氏は「彼の身長からすると170キロは逆に危ないですね。速すぎてもよくない。負担がくるので、このスピードで浮いてくるストレートを研究した方がいい」と投手出身ならではのアドバイスを送っている。
それでも、多くの野球解説者・選手たちが大谷を高く評価。22日(土)から始まる広島との日本シリーズでは、敵地・マツダスタジアムで開幕する。第1戦・第2戦に先発となれば、投手と打者の“二刀流”となる。日本シリーズでも大谷は、解説者、選手、ファンの想像を超える活躍を見せることができるか注目だ。